アフリカ開発銀行(ＡｆＤＢ）及びアフリカ開発基金(ＡｆＤＦ）の概要と実績
- 設立経緯及び根拠・目的
ＡｆＤＢは1964年にアフリカ地域の途上国の経済的・社会的開発を促進することを目的として設立された（本部：コートジボアール・アビジャン）。97年末現在で77カ国が加盟している。アフリカ域内から53カ国、また域外のメンバー国から24カ国が加盟。我が国は83年に加盟した。
ＡｆＤＦは1973年に設立された機関。ＩＢＲＤに対するＩＤＡに相当しており、ＡｆＤＢが準商業ベースで貸付けを行っているのに対し、ＡｆＤＦはそうした条件での借入が困難な国に対して、より緩和された条件で融資を行っている。97年末現在、域外国25カ国及びＡｆＤＢが加盟している。日本はＡｆＤＦ設立当初からの加盟国である。
- 最近（過去２年間）の活動内容
ＡｆＤＢからの融資は準コマーシャル・ベースで実施されるのに対して、ＡｆＤＦからの融資は長期で無利子（手数料のみ）のより緩和された条件で実施されている。
96年の融資総額は承認ベースで、ＡｆＤＢが5.1億ドル、ＡｆＤＦが2.9億ドル、97年はＡｆＤＢが7.7億ドル、ＡｆＤＦが10.1億ドルである。
両機関は深刻な債務危機に瀕している国に対する構造調整融資や貧困削減、また運輸・通信といった経済インフラや衛生・教育などの社会インフラ整備にも積極的に取り組んでいる。
これを部門別（97年）に見ると、多目的（構造調整・貧困削減等）部門が5.8億ドル（総額比32.6％）、工業部門が3.1億ドル（同17.5％）、運輸部門が2.4億ドル（同13.7％）、社会部門が2.4億ドル（同13.5％）、農業部門が2.2億ドル（同12.5％）などとなっている。
- 我が国との関係
(1)意志決定機構における我が国の位置づけ
最高意思決定機関は、各加盟国の総務により構成される総務会であり、我が国は大蔵大臣が総務に任命されている。また、融資承認等の日常業務の意思決定は18人の理事（域内12名、域外６名）からなる理事会で行われており、我が国からも常時、理事が選任されている。
(2)事務局における邦人職員
専門職520名のうち日本人３名(97年末現在）
(3)財政負担
ＡｆＤＢの資本金215億ドル相当額のうち、我が国の出資額は994億ドル相当額（シェア4.6％）であり、域外国中第２位。また、ＡｆＤＦの資本金121億ドル相当額のうち、我が国の拠出額は17億ドル相当額（シェア14.4％）であり、域外国中第１位である。
- （注）原公表金額単位はＵＡ(97年ＩＵＡ=ｌ.34925ＵＳ＄)
(4)日本特別基金
96年度拠出 約２億円 97年度拠出 なし
使途 ① プロジェクトの案件発掘や事業化のための事前調査などプロジェクトの案件形成に対する支援 ② 開発途上国政府の制度の企画・立案等に対する政策助言の支援 ③ 開発途上国政府職員等を対象とした研修プログラムの実施など人材育成活動の支援、我が国の人的貢献を支援 (5)我が国ＯＤＡとの協調実績(97年度）
海外経済協力基金との間で、ガーナのアチモターアニナム道路整備事業（協調融資額96.51億円、プレッジ・ベース）が取上げられた。
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