アジア経済研究所の概要と実績
- 設立経緯及び根拠・目的
1960年、アジア経済研究所は、「アジア経済研究所法」に基づき、アジア地域等との貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与することを目的として設立された。以来、長年にわたり、アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカ、オセアニア、東欧諸国の経済、政治、社会に関する諸問題について基礎的かつ総合的な調査研究を行い、その成果を普及し、我が国の経済協力の促進等に寄与してきた。
近年、発展途上国を取り巻く国際環境は、冷戦構造の終焉以降、経済のグローバル化・自由化等が進み、多様化しかつ激変する国際社会のなかで、多くの国及び地域で政治の不安定化、民族紛争、宗教論争等の問題が発生し、これらが経済発展の障害となり途上国問題を一層複雑にしている。加えて、昨年来のアジア諸国の通貨危機は、各国の政治、経済にさらに大きな影響を与えている状況にある。
このような世界情勢の下、アジア地域等途上国と大きな経済的依存関係にある我が国にとっては、これら地域の情報収集は欠かせないものであり、アジア経済研究所の調査研究は、より重要性を増している。
さらに、同研究所は「特殊法人の整理合理化について」(平成7年2月24日閣議決定)に基づく日本貿易振興会との統合(平成10年7月11日)及び「国の行政機関等の移転問題に係る閣議決定」(昭和63年7月19日)に基づく移転(平成11年度)を行うこととなっており、より戦略的な調査研究とより充実した成果の普及が期待されている。
- 最近の活動内容
(1)調査研究
発展途上地域及び開発問題に関する基礎的かつ総合的研究、政治・経済動向分析、経済協力調査、統計解析等の調査研究を実施した。
<平成8・9年度APEC研究事業等約90テーマ>(2)国内外との研究交流
国際研究交流促進、在外職員派遣及び海外客員研究員受入の各事業を行い、海外との研究交流及び海外における研究を一層深めた。
<平成8・9年度海外客員研究員受入事業等4事業>(3)資料・統計の整備
発展途上国の資料情報センターとして、対象地域に関する基本的文献、新聞、雑誌などの最新の資料・情報等を国際機関、各国政府機関及び図書館等との交換により収集した。これらの資料情報は閲覧、資料複写等のサービス等により、利用者に提供した。
<平成8年度末所蔵の図書・資料等約41万点>(4)成果普及
調査研究及び資料・情報活動などの成果を国内外に広く普及するため、定期刊行物、単行書、調査研究報告書等を製作するとともに、講演会及びプレスリリース等を開催した。
(5)
経済開発研修 発展途上国・地域の経済開発に携わる人材を育成するため、日本人及び外国人研修生を受入れ経済開発研修事業を実施した。
<平成8年度研修生受入日本人11名、海外17名、9年度研修生受入日本人11名、海外15名>(6)新施設建設
千葉市幕張文教地区への移転(平成11年度)のため、新施設建設を進めており、平成8年度は実施設計を行い、平成9年度は建設の着工を行った。
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