資源開発協力基礎調査事業の概要と実績


  1. 設立経緯及び根拠・目的

    金属鉱業事業団(昭和45年度当時「金属鉱物探鉱促進事業団」)は、発展途上国に限定した技術協力として、資源を保有する発展途上国において非鉄金属資源の有望地域を抽出し、鉱床賦存状況を把握することにより、当該国における資源開発の基礎的データを与え、その結果、将来的に我が国の鉱物資源の安定供給に資することを目的として、昭和45年度から資源開発協力基礎調査事業を実施している。

  2. 最近の活動内容

    (1)概要

    資源を保有する発展途上国の自立的経済発展のためには、その国内の鉱物資源の探鉱開発を積極的に推進することが重要である。しかしながら、発展途上国の多くは、資源開発に必要な探査及び開発の技術力に乏しく、また自力による探鉱開発が不十分であり、我が国に対して資源探査の技術協力を要請している。
    このため、資源消費国の我が国としては、これらの資源保有国との協力関係を深めることで鉱物資源の安定供給確保を図るとともに、その経済成長を支援する意味からも積極的に技術協力要請に対応している。
    具体的には、相手国政府の要請に基づき、国際協力事業団(JICA)及び金属鉱業事業団(MMAJ)を通じ、既存データ解析、衛星画像調査、地質調査、物理探査、地化学探査、ボーリング調査、坑道調査等により当該国の銅、鉛、亜鉛、金等鉱物資源の有望地域の抽出、地質構造の把握、鉱量評価等を実施。

    (2)平成8年度

    平成8年度は予算額3,578百万円、実施地域はチリ共和国、モンゴル国、ヴェトナム社会主義共和国、中華人民共和国、エクアドル共和国及びホンジュラス共和国を新たに加えた21ヶ国23地域。

    (3)平成9年度

    平成9年度は予算額3,429百万円、実施地域はオマーン国、メキシコ合衆国、アルゼンティン共和国、フィリピン共和国、ウズベキスタン共和国、カザフスタン共和国、キルギス共和国、タイ王国及びマリ共和国を新たに加えた22ヶ国24地域。

平成8年度及び9年度資源開発協力基礎調査事業実施案件一覧
国名等 地域 対象鉱種 実施年度
中国 揚子地台西縁
騰冲梁河

銅・鉛・亜鉛
5~10
8~10
モンゴル ツァガンツァヒルウール 8~9
マレーシア サバ中央 金、銀、銅 6~8
フィリピン ビコール 銅、金 9~10
タイ チェンコン・ドイチェン・ラブリメーサリアン
鉛、亜鉛
6~8
6~8
ヴェトナム ボークー 8~10
フィジー ヴァネアレブ 7~9
トルコ エスピーエ 銅、鉛、亜鉛 7~9
オマーン 中央バチナコースト
南バチナコースト
銅、金
銅、金
6~8
9~11
アルバニア シェベニック クロム 7~9
ジンバブエ スネークヘッド 金、銀、プラチナ 7~9
ナミビア オタヴィ・マウンテンランド 銅、鉛、亜鉛 7~9
マリ ケコロ北部 7~9
カザフスタン ジャマンアイバド/サマルスキー
テレクティンスキー・アップリフト
銅、鉛、亜鉛、金、銀
銅、鉛、亜鉛、金、モリブテデン
6~8
9~11
ウズベキスタン 東ブカンタウ
東ヌラタウ
金、タングステン
6~8
9~11
キルギス タラス
アライ
キチサンディク

銅、金
6~8
9~11
9~11
メキシコ カンポセコ
インマクラーダ・エルオレガノ・インデウノ
鉛、亜鉛、銅
銅、金
6~8
9~11
ホンデュラス サンアントニオ 鉛、亜鉛、銀 8~9
ペルー 東部 鉱物全般 7~8
エクアドル インバオエステ 8~9
ボリヴィア サンアントニオ 8
チリ グアナカ・チョルキ
パストスラルゴス

8~9
8~10
アルゼンティン 東部アンデス 鉱物全般 9~10
SOPAC マーシャル諸島海域
ミクロネシア連邦海域
マンガン、コバルト
マンガン、コバルト
8
9

(注:実施年度は予定も含む)


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