地方公共団体補助金の概要と実績
- 設立経緯及び根拠・目的
(1)補助概要
日本国内各地に開発途上国のあらゆる地域から研修生を受入れることは地域住民に開発途上国の人々と接触する機会を与え、この人と人との触れ合いを通じ各国との真の友好関係を発展させる意義を有するものである。
政府は昭和49年8月に国際協力事業団を設立し、我が国の国際協力の積極的な推進をはかる一方、技術協力を国が行う限られた範囲の事業から脱皮した「国民各層の参加する事業」にするための種々の方策を講じているが、各地方公共団体が主体的に行う技術研修員受入れ事業は、この政府の目標にそうものであり、かつ、地方公共団体が国際化に対処し、独自の立場から技術協力、国際交流を推進することは極めて重要なことである。
本件補助金は、昭和46年度に当初、山梨、兵庫、熊本の3県に対し、海外技術研修員の受入れに係る海外技術協力推進団体補助金(地方公共団体補助金)を交付して以来、発展を続け、平成元年度の東京都の参加により全都道府県で事業が実施されるに至った。その後、3年度より新規事業として専門家派遣事業が加わり、更に4年度からは政令指定都市も補助対象とするに至り、5年度においては過去において研修員として受入れた者を改めて短期研修させる再研修制度が開始されている。本件事業は、地方公共団体からの強いニーズに支えられ、国民的基盤に立った幅広い技術協力事業として期待されているものである。
なお、昭和53年度より従来よりあった移住事業費(都道府県補助金)が本件補助金に組替え統合され、移住事業もあわせて一体的に実施されている。(2)事業概説
- (イ)技術研修員受入事業(補助期間最高10ケ月、再研修受入は5ヶ月)
各地方公共団体は、開発途上国・地域より技術研修員を受入れ、団体の試験場又は研究所あるいは私企業等においてそれぞれ団体・地域の特色を生かした技術の研修を行い途上国・地域への技術協力を行う他、地域住民との交流について支援を行う。
※ 受入れについての人選等は各県が行う。受入れに際しての推薦母体としては、途上国における県人会組織(主として中南米地域)、青年海外協力隊、県の在外事務所、友好姉妹州・省・市、等が挙げられる。
なお、その際、本件技術研修事業は、途上国・地域の国民に対しての事業であるところ、日本国籍保有者は補助対象としない。(ロ)帰国研修員フォローアップ事業
各県2年に1回程度の割合で、県の担当職員を研修員の帰国地に派遣し、帰国研修員に対するフォローアップ調査及び、現地の実情調査を行い技術研修員受入れ事業の効果的・効率的実施のために資する。
(ハ)青年海外協力活動促進事業
青年の海外協力活動を促進するために青年海外協力隊活動の啓発、応募相談及び帰国協力隊員の指導育成、支援を行う。
(ニ)専門家派遣事業
地方の有する特色を生かした分野の専門家を途上国地域に派遣し、現地において技術の指導を行う他、交流の促進に努める。
県費留学生受入事業(補助期間1年間)(ホ)各都道府県は、南米地域より日系人子弟を、同都道府県内の大学等に県費留学生として受入れる他、帰国留学生についてのフォローアップ調査、又、地域住民との交流について支援を行う。
- 最近の活動内容
本補助金による地方公共団体が実施する海外技術協力事業は、9割が研修員受入事業であり本補助金制度設立当初から変わっていない。ただ、研修科目については、コンピューター関連技術をはじめ廃棄物処理技術に至る内容で開発途上国の最近のニーズに応じたものとなっている。
- 技術研修員受入れ事業参加都道府県政令指定都市推移
年度 新規対象都道府県市 参加都道府県 46年度 熊本、兵庫、山梨 3県 47年度 福岡、高知、香川、広島、静岡、神奈川、長野 10県 48年度 長崎、大阪、三重、群馬、宮城 15府県 49年度 石川、富山、青森 18府県 50年度 埼玉、栃木、福島、秋田 22府県 51年度 山形 23府県 52年度 北海道、徳島、愛媛 26道府県 53年度 和歌山、大分 28道府県 54年度 滋賀、岡山 30道府県 55年度 福井、宮崎、山口 33道府県 56年度 新潟、島根、鹿児島 36道府県 57年度 岩手、沖縄 38道府県 58年度 茨城 39道府県 59年度 愛知、佐賀 41道府県 61年度 京都 42道府県 62年度 千葉、岐阜、奈良、鳥取 46道府県 元年度 東京 47都道府県 4年度 川崎市 48都道府県市 5年度 横浜市、北九州市 50都道府県市 6年度 神戸市 51都道府県市 7年度 広島市 52都道府県什 10年度 京都市 53都道府県井
BACK / FORWARD / 目次 |