援助効率促進事業の概要と概要


  1. 設立経緯及び根拠・目的

    援助の実施サイクルの中で「入口」に当たる各種の情報収集・事前の調査、プロジェクトの形成・確認と、「出口」に当たる終了案件の評価等を行うことにより、JICA事業全体の横断的な総合調整機能を強化し、JICA事業の一層の効果的かつ効率的実施を確保するもの(国際協力事業団法上は、第21条第1項第6号の各業務に「附帯する業務」)。
    目的と意義は次の通りである。
    ODAの質的向上、及び我が国の援助理念に合致した効果的な援助実施の観点から、JICAの各種事業の実施に当たり、援助実施のサイクル中、「入り口」および「出口」の段階において、JICA全体の横断的な取り組みを強化することにより、体系的かつ効果的、効率的な援助の実施を図る。

    (1)真の援助需要を見極めるための情報収集、事前の調査・研究、「要請主義」を補完する案件の発掘・形成、案件選定・確認のための相手国との密接な対話といった援助の「入口」段階での事業の拡充
    (2)実施済みの案件の協力効果につき評価を行い、右結果を将来の事業実施にフィードバックすることを通じて事業の更なる効率的・効果的実施を目指す「出口」段階での事業の充実を図ることを目的とする。
    特に、環境面等の配慮、優良案件の積極的発掘、ODAの各スキーム間の効果的な連携、及び機動的な対応の必要性等の面からも、JICA全体の横断的取組みを強化し体系的な援助の実施を可能とする本事業の意義は大きい。

  2. 最近の活動内容

    事業の種類と内容は、次の通りである。

    (1)事業の計画的実施(入口):優良案件発掘・形成のための調査・研究等

    (イ)プロジェクト形成調査

    (無償資金協力及び技術協力開発調査に係るJICAプロジェクト形成のための調査)

    ①一般プロジェクト形成調査

    個別プロジェクトの要請がありながら熟度が未熟である等、案件形成能力が十分でない開発途上国に対し、計画策定段階より能動的・積極的に案件の発掘形成を行う。

    ②分野別プロジェクト形成調査

    特定分野の開発の必要性が確認されているが、当該分野の案件が要請されない、または案件の形成能力が十分でない場合に、当該分野に係るセクターサーべイを行い、我が国協力の方向付けを行うための調査。

    (ロ)プロジェクト確認調査(年次協議、政策協議、プロ確)

    援助重点国を中心に、我が国の援助理念・方針を説明し、相手国との協議を通じ、先方の重点分野に関する意向を確認した上で、今後の協力の方向付けを行う。

    (ハ)企画調査員

    開発途上国における開発重点分野に精通した調査員を現地に派遣し、相手国関係機関との密接な連携を図りつつ、優良案件の発掘・形成や要請案件の調整・整理を行うもの。

    (2)事業評価(出口):JICAが実施した各案件の評価・監理を行う

    (イ)終了時評価

    プロジェクトの協力期間終了の前後に、当初設定したプロシェクト目標の達成度、効果、自立発展の可能性等の観点に重点を置いて実施する評価。評価結果は、当該プロジェクトに対する協力延長の要否又は追加支援の必要性を検討する際の判断材料となる。

    (ロ)事後評価

    プロジェクトの協力期間が終了してから数年経過した時点で、当該プロジェクトが与えた影響や効果、自立発展の度合い等に重点を置いて実施する総合的な評価。将来の新規案件の形成、実施において参考とし得る教訓、提言を導き出すことを主な目的としている。


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