2. 国民参加の拡大

(1)国民の理解と支持の促進の重要性

日本の外交にとって欠くことのできないODAですが、厳しい経済・財政状況が続く中、開発協力の意義について、国民からの十分な理解が得られなければ、ODAを増加していくべきとの積極的な支持を得ることはできません。2010年に発表した「ODAのあり方に関する検討 最終とりまとめ」においても、国民の理解と支持を得ていくことの重要性が強調されています。

そうした考えに立ち、外務省およびJICAは、いろいろな層の国民が実際の開発途上国支援に直接参加でき、国民の方々がODAの現場を体験できる機会を提供しています。開発協力に関する議論や対話の促進、開発教育の推進、開発協力の現状についての情報公開と地方や幅広い層への紹介と発信、と様々なレベルや形で国民参加を強化しています。同時に、開発問題の多様化・高度化に適切に対応していくためには、人材育成と開発研究も重要と認識しています。国際社会において日本の開発協力に関する考え方への理解を広めることも重要であり、研究者との連携もますます重要となりつつあります。

なお、支援国において日本の支援について多くの人に知ってもらうことはODAの実施において欠かせないプロセス(過程)であり、在外公館とJICA現地事務所が連携して、現地広報に力を入れています。


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