(2)国民各層の途上国支援の直接参加
若い人やいろいろな経験を持つ幅広い層の国民が参加のできる国際協力を推進するため、JICAは、青年海外協力隊事業やシニア海外ボランティア事業を行っています。青年海外協力隊は、20歳から39歳までの青年が開発途上国に原則2年間滞在し、開発途上国の人々と生活や労働をともにしながら、開発途上国の経済社会開発に協力する国民参加型事業です。青年海外協力隊は半世紀近くの歴史を持ち、海外でも高く評価されている日本の「顔の見える援助」の一つです。シニア海外ボランティア事業は、幅広い技術、豊かな経験を持つ40歳から69歳までで、ボランティア精神に基づき開発途上国の発展のために役に立ちたいという方々が行う活動を日本政府が支援するという国民参加型事業で、青年海外協力隊のシニア版として位置付けられています。
国際協力への市民参加の最も身近な例は、国際協力を行っているNGOへの支援やその活動への参加です。日本のNGOの数は、1998年に「特定非営利活動促進法(NPO法)」が施行され法的な整備が進んでから大幅に増加しました。実際に国際協力活動にかかわっている団体は約400といわれています。日本のNGOは、ODAの裾野を広げ、国際協力分野での優秀な人材を育て日本の「顔の見える援助」の担い手として期待が高まります。
エクアドルの先住民に栄養指導を行うシニア海外ボランティア(写真提供:後藤由美子)
パプアニューギニアの巡回先で活動する理学療法士の青年海外協力隊員(写真提供:原口昌樹)