(4)現地機能の強化

開発途上国政府との政策の協議を強化するため、原則としてすべてのODA対象国について、在外公館(海外の大使館・総領事館)やJICAの現地事務所などで構成される「現地ODAタスクフォース」を設置しています(注87)。タスクフォースは、開発途上国の援助需要を把握した上で、国別援助方針や事業展開計画などの援助政策を決めるプロセスにも参加します。また、開発途上国政府との政策に関する協議を行います。さらに、他の援助国や国際機関と連携しながら、援助手法の面での連携や見直しに関する提言を行い、援助対象となる候補案件の検討・選定などを行っています。

また、貧困削減戦略文書(PRSP用語解説参照))(注88)の策定や見直しの動きなどに合わせて、開発途上国における援助協調が各地で本格化している状況に対応し、日本は2006年度から一部の在外公館に経済協力調整員を配置し、援助協調にかかわる情報の収集・調査を行っているほか、日本の政策について他国に対し、情報を発信したり提言を現場から行う体制をとっています。

用語解説

援助協調

援助の効果を増大させるために、複数のドナーが情報共有を行い、援助の戦略策定やプロジェクト計画・実施などにおいて協力を行うこと。従来の援助協調は、案件ごとのドナー同士の連携・調整に重点が置かれていたが、近年は、被援助国の開発政策に沿って、ドナーが共通の戦略や手続きで支援を行う総合的な援助協調が、サブサハラ・アフリカを中心に、世界各国で進められるようになっている。


注87 : JICAが本部で所管する一部の国を除く

注88 : 貧困削減戦略文書 PRSP:Poverty Reduction Strategy Paper


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