(4)スーダン

スーダンでは、20年以上にわたり南北内戦が続いていましたが、2005年、南北包括和平合意(CPA)(注59)の成立により内戦が終結しました。この和平合意に基づき、2010年4月、総選挙がおおむね平和的に行われました。2011年1月には、南部スーダンの分離独立を問う住民投票が行われ、98%以上の圧倒的多数が分離独立を支持し、南スーダンの独立が決定しました。南スーダンは、2011年7月9日に独立しましたが、国づくりと安定した南北スーダン関係の構築が今後の課題です。

< 日本の取組 >

日本の対アフリカ外交にとって、平和構築は重要課題の一つです。中でも、南北スーダンの安定はアフリカ全体の安定に直結することから、南北スーダンは平和構築の最重点国の一つと位置付けられています。このような認識の下、日本は、2005年以降南北スーダンに対し5億5,000万ドル以上の支援を実施しています。2010年度の支援実績は、無償資金協力が約85億8,800万円、技術協力は約22億9,700万円にのぼっています。

今後、元兵士の武装解除、動員解除および社会復帰(DDR)の支援といった平和の定着に関する支援を継続するとともに、南北バランスのとれた支援を行います。具体的には、スーダンに対しては、紛争被災地域を中心に、人間の基礎生活分野の充足(BHN)(注60)の確保および食料生産基盤の整備を重視した支援を行っています。また、南スーダンに対しては、上記に加え、インフラ整備やガバナンス(統治)分野を重視した支援を行っています。

新国家 「南スーダン」誕生!

新国家 「南スーダン」誕生!


注59 : 南北包括和平合意 CPA:Comprehensive Peace Agreement

注60 : 人間の基礎生活分野 BHN:Basic Human Needs


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