(2)情報通信技術(ICT)

ICT注20)の普及は、産業を高度化し、生産性を向上させることで、持続的な経済成長の実現に役立ちます。また、開発途上国が抱える医療、教育、エネルギー、環境、災害管理などの社会的課題の解決にも貢献します。ICTの活用は、政府による情報公開を促進し、放送メディアを整備し、民主化の土台となる仕組みを改善します。便利さとサービスが向上することで市民社会がより強化されるためにも非常に重要です。

< 日本の取組 >

日本はすべての人々の生活の質を向上させるため、地域・国家間に存在するICTの格差を解消できるよう、積極的に支援しています。具体的には、開発途上国における通信・放送設備や施設の構築およびそのための法整備や人材の育成といった分野が中心です。同時に日本の経済成長に結びつける上でも有効な、地上デジタル放送日本方式の海外普及活動など、整備面、人材面、制度面の総合的な支援を目指しています。

エクアドルでシスターにコンピューターの使い方を指導する青年海外協力隊員(写真提供:高橋秋人)

エクアドルでシスターにコンピューターの使い方を指導する青年海外協力隊員(写真提供:高橋秋人)

用語解説

情報通信技術(ICT)

コンピュータなどの情報技術とデジタル通信技術を融合した技術で、インターネットや携帯電話がその代表。


注20 : 情報通信技術 ICT:Information and Communication Technology

●ブータン

「国営放送能力強化プロジェクト」
技術協力プロジェクト(2007年9月~2010年9月)

ブータン政府は、進行する地域間の情報格差の緩和を目指し、ブータン国営放送局の機能の強化、的確な情報の提供と一般大衆の教育水準の向上に取り組んでいました。こうした状況を受け、日本は2007年9月から同国に番組制作の専門家を派遣し、普及啓発活動のためのデジタルビデオ教材の作成およびデジタル放送技術の研修を実施し、職員の番組作成能力の向上やマネジメント能力の強化に貢献してきました。こうした取組により、同国では、質の高い番組を全国放送することが可能になり、情報の地域格差が緩和され、国民に対して広く的確な情報の提供が実現されるようになりました。

下院国会議事堂で撮影中のブータン国営放送局スタッフ(写真提供:JICA)

下院国会議事堂で撮影中のブータン国営放送局スタッフ(写真提供:JICA)


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