(2)適正な手続の確保
援助を実施する際には、事業の実施主体側が、環境や現地社会への影響、たとえば、自発的ではない住民移転や先住民・女性の権利の侵害などに関して配慮をしているか確認します。従来、有償資金協力や技術協力では、学者やNGOなどを含む有識者から幅広い意見を聴取し、現地の環境や社会への配慮の確認のためのガイドラインを施行し、無償資金協力においても、無償資金協力審査ガイドラインに基づいた支援を実施してきました。2008年10月の新JICA発足を機に、旧JICA、旧JBICのガイドラインを統合し、2010年4月1日付で新「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」を定めました。このような取組は、環境問題への配慮に関する透明性、予測可能性、説明責任の確保につながります。
また、ODA事業のさらなる効率化、透明化を図るため、無償資金協力事業では、国際金融、開発経済、法律、会計、情報の専門家およびNGO関係者からなる無償資金協力実施適正会議を開催し、案件選定にかかわるプロセスに第三者の視点を取り入れています。さらに効果的・効率的な援助の実施のため、資機材およびコンサルティング業務などに関し、質や価格面において適正かつ効率的な調達が行われるよう努めています。