(4)情報の公開と広報
ODAは国民の税金などを原資としていることから、その透明性を確保し、情報公開や発信に取り組んでいます。
ア.広報・情報公開
外務省およびJICAは、各々ODAに関連したホームページ(注82)を設置し、タイムリーで正確な情報公開と発信を目指しています。外務省は、国際協力に関する最新情報を掲載する「国際協力News」を2010年3月まで毎月発行し(注83)、全国の教育機関、図書館や病院などに配布しました。また、ODAメールマガジンを発行し、在外公館職員やJICA関係者などによる実際の援助現場での体験談やエピソードなどを紹介しています。
さらに、国際協力をめぐる動きや日本の取組を国民に紹介するとともに対話を深めるため、市民との対話「国際協力について語ろう」を毎年3 回程度開催しています。外務省職員が中学校、高校、大学、地方自治体、NGOなどに出向いて国際協力についての説明や解説を行う「ODA出前講座」も実施しています。
1997年度以来、シリーズもののテレビ番組の放映を通じて国民の国際協力への関心・理解を促進しています。2009年度は、テレビ東京系列で放映された「知花くららの地球サポーター」において、開発途上国で活躍している日本の援助関係者や裨益する現地住民の姿などを取り上げ、開発途上国の現状や援助の必要性、日本のプロジェクトの効果などを紹介しました。
毎年「国際協力の日(注84)」(10月6日)の前後には、日本国内最大の国際協力イベントとして「グローバルフェスタJAPAN」を開催しています。外務省、JICAおよびJANIC(国際協力NGOセンター)が共催し、東京・日比谷公園で土曜日と日曜日の2日間にわたって行われるこのイベントには、NGOや国際機関、各国大使館関係省庁など270団体以上が出展し、約9万6,000人の参加者が来場しています。
広報の在り方については、「ODAのあり方に関する検討」の結果、国民の理解と支持を促進するため、ODAプロジェクトの現状などを体系的に可視化することなど「見える化」の促進と、全国各地のJICA国際センターの活用など、国民への発信を柱として再構築していくこととなっています。
●ODAの広報については、第II部・第2章・第2節 国民の理解と支持の促進も参照してください
イ.国際社会に対する情報発信の強化
海外においても、ODAを通じた日本の積極的な国際貢献について認識を高めてもらうための施策を行っています。具体的には、援助にかかわる署名式や引渡式に際してプレスリリースを発出するなど現地プレスの取材に協力しており、また、日本の援助物資に日章旗ステッカー(英語、アラビア語)や「ODAシンボルマーク」ステッカー(英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、ポルトガル語)を貼付しています。在外公館では、現地プレスに対して日本の援助現場の視察を企画し、現地の報道などにおいても日本の協力が取り上げられるような機会づくりに努めています。また、各種講演活動、英語・現地語によるホームページや広報パンフレットの作成も行っています。
注82 : 外務省<http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda>、JICA<http://www.jica.go.jp>、国際協力プラザ(ODA広報センター)<http://www.apic.or.jp/plaza>
注83 : 2010年3月をもって休刊。
注84 : 1954年10月6日、日本はコロンボ・プランへの加盟を閣議決定し、経済協力を開始した。10月6日は1987年の閣議了解により「国際協力の日」と定められている。