2. 民間資金・OOFとの連携
開発途上国の開発ニーズは膨大であり、ODA 資金のみでそれに応えることはできません。開発途上国への資金の流れにおけるODAなどの公的資金の割合は低下し、現在はその7割を民間資金が占めるようになっています。こうした状況のもと、ODAにより民間資金流入のボトルネックを解消するなど、ODAと民間資金が連携して、開発途上国の開発ニーズに効果的に対応していくことが求められています。
政府はJICAの海外投融資(注13)機能を再開し、開発途上国において民間企業などが実施する開発事業を出資・融資により支援する予定です。そのほか、民間企業からの提案に基づく協力準備調査やBOPビジネス連携促進調査、BOPビジネス支援センターなども活用し、民間の持つニーズの事業化などを支援します。
こうした取組により、ODAを呼び水として開発途上国への民間資金の流入量が増大し、開発効果の増大を通じて開発途上国の成長を後押しすることが期待されます。また、国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)などOOF(ODA以外の政府資金)とも連携を強化し、一層の民間資金の活用を図ります。
注13 : 既存の金融機関では対応できない、かつ開発効果の高い、民間セクターが開発途上国で実施する開発事業に対し、必要な資金を融資または出資するもの。1960年以降、旧海外経済協力基金が実施していたが、現在はJICAが実施。特殊法人等整理合理化計画において、2002年度以降、2001年度末までに承諾された案件またはそれらと継続的な性格を有する案件に限り出融資を行っていたが、2010年6月の閣議決定により、過去の成功例・失敗例などを研究・評価し、リスク審査・管理体制を構築した上で再開を図ることとなった。その後、2010年12月10日に開催した第6回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合(議長:仙谷内閣官房長官。「新成長戦略実現会議の開催について」(2010年9月7日閣議決定)に基づき、インフラ分野の民間企業の取組みを支援し、国家横断的かつ政治主導で機動的な判断を行うため開催。)において、年度内再開を実現することを決定した。