6. 国際社会におけるリーダーシップの発揮

日本は、国際社会と日本の共同利益の実現に向けてリーダーシップを発揮するため、地球規模課題の解決に積極的に関与するとともに、国際社会の議論をリードし、構想を提示していきます。

地球規模課題に対処するため、日本は人間の安全保障の考え方を1990年代から先駆者として主唱し、積極的に実践してきました。特に2010年は、国連事務総長報告の発表に続き、国連総会で初めての公式討論の開催、総会決議の採択、国連首脳会合成果文書における言及など、同概念に関する議論が大きく進展しました。日本は引き続き、NGOや学界、国際的フォーラムなどと協力しつつ、人間の安全保障について国際的な議論を深め、普及を図っていきます。

また、気候変動をはじめとする環境問題や感染症、テロなどのいわゆる地球規模課題の解決に取り組んでいきます。たとえば気候変動への対策では、開発途上国の気候変動対策の推進を支援します。それに加え、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指す日本の交渉に役立つように、短期的な支援を積極的・機動的に活用していきます。

国際社会共通の目標であるミレニアム開発目標(MDGs)の達成のため、日本は力強い支援を行っています。2010年9月に開催されたMDGs国連首脳会合においては、菅総理大臣が、保健、教育両分野における効果的な支援モデルを提示するとともに、2011年からの5年間でそれぞれ50億ドル、35億ドルの支援を表明しました。日本は、これら2分野をはじめ、2015年までのMDGs達成に向けて、強い決意を持って取り組みます。


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