第2節 開かれた国益の増進-新たな開発協力の理念
開発途上国への援助の意味が問われる中、外務省は、世界の共同利益を追求するための手段との観点から、ODAの位置付けを捉え、ODAが中核を成す「開発協力」の重点分野として3本の柱を立てました。
1. 「開発協力」の中核としてのODA
先に述べた国際環境の変化に伴い、開発途上国の開発問題にかかわる関係者と開発途上国への資金の流れも多様化しています。そうした中、開発途上国への支援は、ODAだけではなく、ODA以外の公的資金(OOF注1)や非公的部門(企業、NGO、市民)による活動も含めて捉えることが適切かつ必要です。そのため、「ODAのあり方に関する検討」においては、「開発協力」という概念を提示し、開発途上国への支援を捉えることとしました。その上で、ODAはこの開発協力の中核を成すものと位置付け、ODAとOOFや非公的部門との連携、さらには、より広い「国際協力」という枠組みの中でのODAの役割を考えています。
注1 OOF : Other Official Flows