(3)外貨建て借款
これまで、円借款は円による貸し付けのみを行ってきました。一方、開発途上国の外貨準備はドルやユーロがその大半を占めています。そのため、開発途上国は円借款の借入開始から完済までの間に生じる、円の為替変動リスクを常に負担しなければなりません。過去の推移を見ると、ドルやユーロといった他のハードカレンシー(交換可能通貨)に比べて、円の変動幅は大きいことから、開発途上国にとって円借款の返済が大きなリスクとなっていると推測されます。また、開発途上国や日本国内の経済界などからも、こうした為替リスク低減への要望が寄せられてきました。
これを受け、政府は、円借款をより効率的かつ魅力ある手法とすることを目指し、従来の円建ての借款に加え、ドルやユーロなどの外貨建ての借款を導入し、開発途上国の負担する為替リスクを軽減することを検討しています。