(3)不発弾および対人地雷・小型武器等

かつて紛争中であった地域には、クラスター弾などの不発弾や対人地雷がいまだ残存しており、また非合法な小型武器がまん延しています。これらは子どもを含む一般市民にも無差別に被害を与え、復興および開発活動を妨げるだけでなく、新たな紛争の原因になります。不発弾・地雷除去や非合法小型武器の回収・廃棄への支援、地雷被害者の能力強化など、国内安定や治安確保に配慮を払った支援が重要です。

< 日本の取組 >

クラスター弾については、2008年に「クラスター弾に関する条約」が成立し、同年12月に日本を含む94か国が署名をしています。日本は、この条約で規定されている国際的な協力および援助を着実に実施しています。たとえば、レバノンでは、人間の安全保障基金を通じて、職業訓練などの提供によるクラスター弾被害地域の経済復興活動および不発弾除去のために国連PKO(平和維持活動)局地雷対策サービス部(UNMAS)と国連開発計画(UNDP)が実施するプロジェクトに対し、2007年から約3年間で約3億3,800万円の支援を行っています。

対人地雷については、日本は、2004年の対人地雷禁止条約(オタワ条約)の第1回検討会議以降、アジア・中東・アフリカ地域に重点を置きながら、<1>「平和の構築」への貢献、<2>「人間の安全保障」の視点の重視、<3>産官学民の連携およびその一環としての技術開発への取組という三原則に従った支援を行っています。産官学民の連携としては、カンボジアやアフガニスタンにおける日本製地雷除去機の実証試験の実施を支援しています。2009年1月には、カンボジアにおける実証試験を終えた日本製地雷除去機3台がカンボジア政府側に引き渡されました。

小型武器対策としては、開発支援を組み合わせた小型武器の回収、廃棄、適切な備蓄管理などへの支援を行っています。さらに、武器の輸出入管理や取締り能力の強化、治安の向上などを目指す関連法制度整備や法執行機関の能力構築支援、元兵士や元児童兵の武装解除・社会復帰事業、小型武器関連の啓発や専門家によるセミナーの開催などを実施しています。たとえば、リベリアにおいては、UNDPを通じて小型武器削減とともに開発事業を行い、社会インフラの整備とコミュニティの自立と復興を支援するほか、リベリア国家警察の能力向上を通じ国内治安の安定を図る複合的な支援を行っています。

アフガニスタンにて現地実証テストを実施した対人地雷除去機

アフガニスタンにて現地実証テストを実施した対人地雷除去機(写真提供 : コマツ)


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