囲み 4 草の根・人間の安全保障無償資金協力

概要
1989年から、開発途上国の多様な援助ニーズにこたえるため、導入された制度
主な援助先は、NGO(国際・ローカル)、開発途上国の地方政府、教育・医療機関等
供与限度額は1件当たり1,000万円まで(ただし、案件に応じて、最大1億円まで)

地域別実績(2006年度)

分野別実績(2006年度)

被供与団体別実績(2006年度)

草の根・人間の安全保障無償資金協力の実績の推移

パレスチナ、ベイト・ドゥッコ村に対する貯水槽設置計画

  パレスチナのベイト・ドゥッコ村は、乾燥地域に位置するため毎年4月から10月までの間、深刻な水不足に悩まされています。村に供給されるはずの水量が少なくなるために、生活に必要な水を購入せざるを得ず、地域の貧困住民の厳しい家計を更に圧迫するなど、この村にとって夏の間の水の確保はとても重要な問題です。
  そこで、日本は、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じ、現地で活動している地域のNGO、ベイト・ドゥッコ開発協会が主に貧困層の家庭を対象として実施する、20個の雨水貯水槽の設置プロジェクトに対し、約970万円の資金を供与しました。このプロジェクトを通じて、約100世帯(約800人)に水を供給することが可能になり、また、設置工事により延べ1,500人が収入を得る機会を得ることができます。さらに将来的には、このプロジェクトによって得られるようになった水を、農業に活用することによる農業生産の向上、および農業従事者の数の増加も期待されます。
  2007年4月に行われた貯水槽の完成式では、ベイト・ドゥッコ村長のラヤン氏から、日本に対する感謝の辞が述べられました。また、住民の間からは、「水をくみにいく間に交通事故に遭ったり、水の奪い合いが起こり住民同士で衝突が起きるなど、水不足の問題は村に大きな影を落としていた。今回の支援は、こうした問題を解決するもので、心から感謝している」といった声や、「既存の水道は、例年は4月から水が使えなくなるが、今年は既に1月から水が出ていない。この貯水槽があったおかげで、多くの住民の生活が支えられている」といった声が聞かれました。

貯水槽設置のための掘削作業
貯水槽設置のための掘削作業

完成した貯水槽の前で
完成した貯水槽の前で


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