開発教育は、開発問題に対する子どもたちの関心を高め、国際協力に対する理解を促し、ひいては国際協力への志を育むことにもつながります。
全国の小中高等学校で実施されている「総合的な学習の時間」の学習活動の一つとして、開発教育と密接に関連する国際理解教育が例示されており、小中高等学校の授業において開発途上国の抱える問題についてとりあげる機会も増えつつあります。こうした開発教育を推進するために、外務省のホームページ内に「義務教育向け開発教育推進ホームページ(「探検しよう! みんなの地球」)」を立ち上げたり、国際協力プラザのホームページにおいて動画等も含めた様々な開発教育教材を随時提供するなど、政府においても積極的な取組を行っています。以上のような取組に加え、2003年度からは、「開発教育/国際理解教育コンクール」を毎年開催しています。
また、ODA民間モニター(本節2.(4)を参照してください)では、2004年度から、現場での視察の成果を学校における開発教育でいかせるように「教員枠」を設けたほか、生徒自身の参加を促すべく、2007年度に「高校生枠」を設置しました。また、2005年から開始した「ODA出前講座」(本節2.(4)を参照してください)も教育の現場で実施しています。
その他、JICA、JBICも開発教育の普及に努めています。JICAは、学校教育の現場や地方の国際化を推進する地方自治体などの求めに応じて、青年海外協力隊経験者などを講師として学校などへ派遣する「国際協力出前講座」、全国の中学生・高校生を対象にしたエッセイコンテストなどを実施するとともに、「開発教育指導者セミナー」や「教師海外研修」といった、教育従事者への支援を行っています。さらに、2006年4月には、開発教育支援を含む、市民参加協力事業の拠点として、「JICA地球ひろば」を開所しました。2006年度の来所延べ人数は約6万6,000人で、2007年9月までの来所延べ人数は約11万1,000人です。
JBICでは、修学旅行生のグループ学習の受入や職員による出張講座を実施しているのに加え、「円借款パートナーシップセミナー」や大学生・大学院生を対象とした「学生論文コンテスト」を実施しています。また、上述した「JICA地球ひろば」にはJBICからも講師を派遣しており、新JICAの設立に向け、JICA-JBIC間の連携が進んでいます。