このような、政府開発援助の改革への取組を継続し、幅広い国民の理解の下、効果的・効率的な支援を実施していくためには、政府開発援助の質について定期的な点検を行い、問題点については具体的な改善の方策を明らかにし、それを着実に実施するとともに、上記の取組を国民に明らかにすることが重要です。そのために、外務省は、2005年12月、「ODAの点検と改善~より質の高いODAを目指して~」(以下、「点検と改善」)を作成・公表しました。その中では、「戦略性強化(選択と集中)」、「効率性向上(コスト縮減)」、「チェック機能の強化」という3つの柱の下で政府開発援助の10の新たな改善措置が示されており、今後チェック結果を企画・実施に反映させるPDCAサイクル(政策策定→実施→評価→改善活動)を政府開発援助において確立することで、より質の高い成果重視の政府開発援助を目指していくこととされています。2007年2月には、2005年「点検と改善」に盛り込まれた様々な施策のその後の実施状況をとりまとめ、さらに改革を推し進めるための指針を定めた「ODAの点検と改善2006」を公表(注13)しました。今までの改革努力に加えて、「点検と改善」報告書において打ち出された取組を通じて、援助をより戦略的・効果的・効率的に実施していく方針です。