世界には多様な援助需要が存在しており、先進国が自分の責任として主体的に取り組むべき課題が多くあります。貧困削減および開発途上国の経済成長は開発課題の中心です。また、貧困などの困難な状況にある人々は、地球温暖化をはじめとする環境問題、感染症、災害などの地球的規模の問題や地域紛争の被害を最も受けやすい人々です。
国際社会は、MDGsを設定し、困難な状況にある人々の開発の問題に取り組んでいます。MDGsは、日本もその作成に主導的な役割(注2)を果たしたもので、貧困の撲滅や初等教育の完全普及、乳幼児死亡率の削減や妊産婦の健康の改善、環境の持続性確保など8つの目標を明らかにし、それぞれに対して具体的に達成すべき数値目標と、2015年という達成期限を定めたものです。2007年7月に公表されたMDGs報告は、サブ・サハラ・アフリカにおける開発の遅れと気候変動問題がMDGs達成に向けた前進を遅らせることに警鐘を鳴らしています。
図表I-1 ミレニアム開発目標(MDGs)の目標とMDGs報告書要旨
図表I-2 ミレニアム開発目標(MDGs)の達成状況(国連「MDGs2007 進ちょく図表」等から)