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[4]留学研究支援無償
1.事業の開始時期・経緯・目的
開始時期
 1999年度、「留学生支援無償」として創設。2001年度に「研究支援無償」を導入し「留学研究支援無償」と改称。
経緯・目的
 「留学生支援無償」は開発途上国政府による人材育成計画の推進を支援するために、当該諸国で将来、各分野でリーダーシップを発揮し、21世紀を担う指導者となる可能性を持った優秀な研究者・行政官・実務家等を対象に、日本の大学等における研究、人的ネットワーク構築等の機会を提供し、ひいては二国間関係の基盤の拡大・強化を図ることを目的とするもの。
 「研究支援無償」は途上国の抱える対人地雷、感染症、環境破壊等の深刻な諸問題解決のための新技術の研究開発を支援するため創設された。

2.事業の仕組み
概 要
 「留学生支援無償」は、開発途上国が組織的・計画的に日本に人材を派遣する人材育成計画を策定し、交換公文による両国の合意の下、留学生の渡航費、滞在費、学費、計画を実施するにあたり必要となる資金を供与する。
 「研究支援無償」は開発途上国が直面する経済・社会開発上の課題について、我が国及び途上国の研究者が行う研究活動に必要な渡航費・滞在費・研究費等を支援する。
審査・決定プロセス
 基本的に一般プロジェクト無償と同様。留学生支援無償の援助対象国の選定に当たっては、日本との二国間関係を考慮し、アジア諸国を中心に選定している。
決定後の案件実施の仕組み
 「留学生支援無償」は、閣議決定後速やかに、日本と被援助国の間で、資金供与に関する交換公文(E/N)の署名が行われる。このE/Nには、援助の目的、供与金額、使途等が定められている。
 E/N署名後、被援助国とJICAの推薦する実施代理機関との間の実施契約に基づき、実施代理機関が留学生候補者の公募、選考手続き事務、学費及び奨学金等の一括支払い管理、留学生のモニタリング、帰国後のフォローアップを行うこととなる。
 具体的に、受入大学院・コースの選定については、国公立・私立を問わず、留学生受入のため然るべき体制を整えている大学院の留学コースを調査し、それを対象国に提示の上、対象国側のニーズに合致したコースに留学生を受け入れることとなる(受入人数は1コースあたり5人程度)。コースの分野は、各国における人材育成分野及び日本としての開発重点分野を踏まえて決定する。
 留学生の選考については、公募により広く人材を発掘するが、要すれば相手国政府等からの推薦も考慮することとし、作成される人材リストの中から、日本と相手国の関係機関等により構成される「運営委員会」(コミッティ)が、候補者の学業・勤務成績、語学能力等を踏まえて行う。
 「研究支援無償」は、閣議決定後速やかに、日本と被援助国の間で、資金供与に関するE/Nの署名が行われる。このE/Nには、援助の目的、供与金額、使途等が定められている。
 E/N署名後、被援助国と日本政府は又はJICAの推薦する実施代理機関との間の実施契約に基づき、実施代理店が研究者の公募、選考手続き事務、必要経費及び研究費用の一括支払い管理、研究成果報告等を行うこととなる。

3.最近の活動内容
実 績
留学生支援無償
 2005年度は、ウズベキスタン、ラオス、カンボジア、ベトナム、バングラデシュ、モンゴル、ミャンマー、中国、フィリピン、インドネシアから計240名の受け入れを行った。
研究支援無償
 2005年度は、カンボジア「地雷除去活動支援機材開発研究計画」に対する4.16億円の支援を行った。


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