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3.国際社会における協調と連携
(1)G8サンクトペテルブルク・サミット(2006年7月15~17日)
32回目を迎えた主要国首脳会議(サミット)は、ロシアが初の議長国となり、7月15日から17日まで、サンクトペテルブルクで開催されました。
サンクトペテルブルグ・サミットでは、エネルギー安全保障、教育、感染症に加え、貿易等についても活発な議論が行われました。また、サミット直前のレバノン情勢悪化により中東問題が大きな焦点となり、北朝鮮の問題についても、ミサイル、核、拉致問題の解決の必要性につき、G8として明確なメッセージを発出しました。
開発問題では、開発途上国の人々のエネルギーへのアクセスの問題や、開発途上国への教育支援の国際的枠組みである「万人のための教育」(EFA:Education for All)の一層の推進に合意しました。また、現在、喫緊の世界的課題である鳥インフルエンザ対策に加え、これまでG8として取り組んできたエイズ・結核・マラリアの3大感染症対策を引き続き強化していくことで合意しました。さらにサミットでは、G8各国が行ってきた開発支援(特にアフリカ)の実施状況を確認しつつ、2007年のサミットで更に進捗状況を議論することに合意しました。

G8サンクトペテルスブルク・サミットに出席する小泉総理大臣(当時)(写真提供:内閣広報室)
以上の議論を踏まえ、「議長総括」に加え、エネルギー安全保障、教育、感染症、貿易、腐敗との闘い、知的財産権の保護、アフリカ報告書、中東、テロ対策、不拡散(北朝鮮、イランを含む)、安定化と復興のための行動についての文書を発出しました。また、「ムンバイ及びインドの他の地域で発生した野蛮なテロ行為に対する声明」が、インドにおけるテロ事件を受けてG8と招待国及び国際機関等により発出されました。
なお、G8首脳は、エネルギー安全保障、感染症、アフリカ、安全保障に対するグローバルな挑戦(中東和平、イラン、北朝鮮等)、貿易(WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)ドーハ・ラウンド交渉)について、招待国及び国際機関等(注)との対話も行いました。
右対話では、議長国ロシアからサミットの結果(エネルギー安全保障、教育、感染症)について報告した上で、招待国・国際機関の長から意見が表明されました。その中で、日本のNEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ:New Partnership for Africa's Development)に対する支援やUNESCOにおける活動を評価するとの発言がありました。