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第1章 ODAの役割の変遷

南西アジアのハブ港となっているコロンボ港。日本はコロンボ港拡張整備のために円借款等様々な支援を行った。(スリランカ)
南西アジアのハブ港となっているコロンボ港。日本はコロンボ港拡張整備のために円借款等様々な支援を行った。(スリランカ)

Point

●ODA開始当初は、アジア諸国との友好関係の再構築、自由主義陣営の強化、輸出振興といった役割を担った。
●高度経済成長を経て質・量ともに拡大したODAは、石油危機後のプロジェクト支援等を通じて「東アジアの奇跡」に貢献。
●冷戦終結後、地球規模の課題の出現等を背景として、ODA大綱を策定。
●21世紀に入り、ODA予算の縮小、新興国の台頭などを背景として、ODA大綱を改定。拡大するODAの使命を果たすため、ODA改革が進展。


 日本は政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)を、1954年の開始以来50年以上にわたって、日本の外交政策の一環として、開発途上国の自助努力を支援するために実施してきました。日本のODAは、開発途上国の発展、生活の向上に大きく貢献しており、被援助国や広く国際社会からも高く評価されています。一方、ODAは単に援助を受けた開発途上国にのみ利益をもたらすわけではありません。ODAを通じて開発途上国の安定と発展を支援し、国際社会の平和と安定に寄与することは、結局は日本自身の安全と繁栄にも資することになります。第I部では、ODAが開発途上国の安定と発展にいかに貢献してきたか、そして日本自身にとってもいかに意味があるものなのかを紹介します。


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