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12 韓国

(1)援助政策等
 韓国の援助対象国は、DACが規定する開発途上国であり、国民所得、経済・社会発展段階等を考慮して決定される。全世界約140余りの開発途上国が支援対象であるが、韓国と地理的、文化的同質性が強く、人的・経済的交流が活発なアジア諸国に多くの部分の対外援助が提供されている。このほか、イラク、アフガニスタン等、紛争後の再建を推進中の国家も韓国の主要な援助対象国である。援助対象分野は、経済インフラ建設支援のほか、教育、保健、医療等、開発途上国の基礎的な社会サービス分野に対する支援に重点的に推進しており、韓国の経済開発経験を共有するためのボランティア及び専門家の派遣も強化している。
 2004年のODA実績は、4億300万ドル(推定)であり、このうち二国間援助が全体の77%を占め、二国間援助の中では無償援助(贈与)が62%を占めている。1997年末の通貨・金融危機の影響により1998年はODAの規模が一時的に減少したものの、1999年からは再び拡大している。2004年度の韓国のODA支援規模は、対GNI比0.06%の水準であり、韓国政府はODA規模を対GNI比0.1%まで拡大するための努力を行っている。
 韓国政府は2004年、イラク、アフガニスタン再建支援のための努力を積極的に展開した。まず、アフガニスタン再建に関連し、韓国政府は2001年末、アフガニスタン難民に対して1,200万ドルを支援し、2002年から2004年まで、総額4,500万ドルの無償援助を提供し、2002年1月に東京で開催されたアフガニスタン支援のための閣僚級会議の際にコミットした4,500万ドルの支援を完了した。また、イラク再建支援のため、2004年度に6,000万ドルを支援した。韓国政府は、2003年10月マドリッドで行われたイラク復興支援国会合で2004年から2007年までの間、総額で2億6,000万ドルをイラクに支援することを発表した。

(2)実施体制
 韓国は1960年代半ばから研修員受入れ等の小規模の技術協力を実施してきており、1980年代後半からは専門的な援助機関を設立し、体系的な援助を行ってきている。1987年には、「対外経済協力基金(EDCF)」を設立し、開発途上国への借款供与を始めた。監督・管理は財政経済部が担当し、実務は韓国輸出入銀行内の経済協力基金部が担当している。1989年からは韓国海外青年奉仕団の派遣事業が開始され(1990年より実際の派遣開始)、1991年には、それまで各所管官庁別に実施してきた開発途上国協力事業を外務部(現在の外交通商部)に統合・一元化し、外務部の下に無償資金協力と技術協力を担当する実施機関として「韓国国際協力団(KOICA:Korea International Cooperation Agency)を設立した。なお、KOICAの実員は2005年7月現在で200名である。


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