本文 > 第II部 > 第2章 > 第5節 > 1.援助政策の立案及び実施体制 > (6)内外の援助関係者との連携
(6)内外の援助関係者との連携
NGOをはじめとした市民社会による援助活動は開発途上国の地域社会や住民に密着したきめ細かい効果的な援助を可能とするだけではなく、緊急人道支援で迅速かつ柔軟な対応を可能とすることから、各援助主体の特性を活かした連携がますます重要になってきています。また、ODAの実施にあたっては、日本の民間企業が今まで培ってきた技術や知見を適切に活用していくことも重要です。
日本は過去の経験から、環境をはじめとする様々な分野で優れた技術を持っており、また新たに生み出してもいます。それらを、現地の援助需要を踏まえつつ活用することは、現地に役立つとともに、より直接的な日本国民の援助活動への参加へとつながり、援助に対する国民の理解を深めることにもつながります。
図表II-37 NGO・外務省定期協議会の開催状況(2004年度)

政府は、これまでもNGOとの対話・連携・支援の強化に向けて取り組んできました。例えば、NGOと政府の間の定期協議会の開催に加え、日本のNGOが比較的多く活躍する開発途上国において、日本大使館、JICAやJBICの海外事務所とNGOとの間の協議会(いわゆるODA大使館)を2002年度より開始し、これまでに、カンボジア、バングラデシュ、ケニアなど12か国において実施しています。
また、開発途上国における日本のNGO活動を支援するための「日本NGO支援無償資金協力」では、従来認められていなかったNGO本部経費に関し、プロジェクトを実施する上で必要な経費を支援対象としました。その一方で、全対象事業について外部監査を義務づけるなど、供与資金の適正な使用を確保するための措置を設け、NGO側のより一層の説明責任も求めています。同資金協力により、2004年度はNGOの各種開発協力事業に対し、約25.4億円の支援を実施しました(2004年12月と2005年3月に行った、ジャパン・プラットフォームに対する合計15億円の拠出を含む)。さらに、NGOの開発協力活動が拡大する一方で、組織や実施体制がそれに追いつかないNGOも少なくないことから、政府は、NGOの専門性の向上や組織強化につながる支援にも取り組んでいます。