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(2)G8グレンイーグルズ・サミット(2005年7月)
英国で開催されたG8グレンイーグルズ・サミットでは、アフリカ支援が主要議題の一つとなりました。成果文書「アフリカ」は、「2015年までにミレニアム宣言の目標のいずれをも達成できない見込みの唯一の大陸であるアフリカに、引き続きG8としての焦点を当てるべき」とし、アフリカ開発のための課題と取組について取り上げ、アフリカへの施策の多くが、開発途上国全体にとっても幅広く適用可能なものであるとし、世界の他の首脳及び機関に対し、9月の国連サミットの成功の達成に向けて共に取り組むよう要請しました。
日本は、対アフリカ開発支援を念頭に置きつつ、以下のような取組を行っていく旨表明しました。
(イ) ODA事業量の戦略的拡充
ODA事業量の戦略的拡充を図り、今後5年間のODA事業量について2004年実績と比較して100億ドルの積み増しを目指すこと、対アフリカODAを今後3年間で倍増することを発表しました。
(ロ)保健分野の支援の拡充
特にサブ・サハラ・アフリカで大幅に改善が遅れている保健分野のMDGsの達成に寄与するため、「「保健と開発」に関するイニシアティブ」に基づき、乳幼児医療の充実や感染症対策などを念頭に、5年間で50億ドルを目処とする支援を実施(アフリカは主たる裨益者)すること、世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対し、当面5億ドルの拠出を行うことを表明しました。
(ハ)アフリカでの「緑の革命」実現と農村開発に対する支援
人口の約7割が農村で生活するアフリカでは、農業の発展と農村生活の向上が社会・経済の安定に不可欠であることから、農業生産性を高める「緑の革命」の実現に向けた支援や、都市と農村とを結ぶための道路や農産物市場の整備、地場産業振興への協力、さらに農村の生計向上と自立を包括的に支援する「アフリカン・ビレッジ・イニシアティブ」*1の推進などを表明しました。
(ニ)貿易・投資促進に向けた支援
アフリカの貿易・投資を促進させるため、5年間で最大12億ドルに及ぶ、民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSA for Africa)*2の実施や、貿易保険の活用などによる日・アフリカ間の貿易投資促進、後発開発途上国(LDC:Least Developed Countries)産品の市場アクセスの拡大などに努めることなどを表明しました。
(ホ)その他
平和の定着のための支援やアジア・アフリカ間の連携強化についても表明しました。