column II-1 UNDPアジア・大洋州局ハフィス・パシャ局長へのインタビュー

UNDPアジア・大洋州局ハフィス・パシャ局長
(写真提供:(社)海外広報協会)
国連の中心的な事業機関である国連開発計画(UNDP :United Nations Development Programme)において、インドネシアなどを管轄するアジア・大洋州局のハフィス・パシャ局長に、スマトラ島沖大規模地震及びインド洋津波に対する日本の対応を中心にお話を伺いました。
Q:スマトラ島沖大規模地震及びインド洋津波における国際的な支援と日本の対応について、ご感想をいただけますか?
パシャ局長:ご存じのように、今回の津波はかつてないほどの大災害でした。とはいえ、この不幸な出来事に際し、驚くほど多くの国際的支援が災害の直後から見られたことも注目に値します。日本の支援に対しても、国連を代表して感謝申し上げます。
Q:津波災害の後に相次いで表明された日本の支援策について、どのように思われますか?
パシャ局長:日本は防災分野で非常に力強いリーダーシップを発揮しています。英語の「TSUNAMI」がもともと日本語の言葉であることからもわかるように、日本は地震や津波などの自然災害が多く、それらに対処してきた経験も極めて豊富です。今回の津波災害に対する最大の支援国も日本でした。神戸で決議された早期警戒システムの構築は最優先で実施されており、インドネシアで発生した2度目の大地震では、地域の暫定的な早期警戒システムが既に有効に機能し、人々は過去の地震の時よりも準備を整えることができたことを報告したいと思います。国連としても、こうした日本のリーダーシップを支持していきます。
Q:開発途上国は、防災や災害復興分野での日本のODAについて何を求めていますか?
パシャ局長:日本は防災や災害復興に率先して対応しています。そうした日本が、救援・復旧活動、そして復興支援というすべての段階に関わってもらうことを期待しています。日本は早期警報システムの構築や災害に強い地域づくりを重視していますが、こうした取組はUNDPの取組と通じるところもあり、私としても全面的に支持しています。また、援助を行う際には、対象地域の特性や地域に根付いた技術にも充分に配慮する必要があります。たとえば建築物の耐震化については、必ずしも近代技術ですべてが解決するわけではなく、支援対象地域で長年にわたり培われてきた建築技術や地域原産の建材を用いる方が有効なこともあります。
Q:パシャ局長が今後、日本に期待することを聞かせて下さい。
パシャ局長:日本の支援のおかげで、被災地では疾病がまん延することもなく、被災者は仮設住宅に入居することができ、基礎的なサービスも提供されました。これからも日本にはこうした支援を続けてほしいと思います。