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12 韓国

(1)援助政策等
 韓国の援助対象国は、DACが規定する途上国であり、途上国の情報格差の解消と人的資源の開発を支援するとの原則に基づいて決定される。援助対象国には、大部分の途上国が含まれるが、韓国と緊密な関係を有するアジア諸国に重点が置かれている。援助対象分野は、経済インフラ建設の他、教育、水供給などの社会インフラも重視しているが、今後は、途上国の貧困層の所得を増大させるための援助事業を重点的に推進する予定である。
 2003年のODA実績は、3億3,400万ドルであり、このうち二国間援助が全体の66%を占め、二国間援助の中では無償援助(贈与)が55%を占めている。1997年末の通貨・金融危機の影響により1998年はODAの規模が一時的に減少したものの、1999年からは再び拡大している。
 韓国政府は2001年末、アフガニスタン難民に対して1,200万ドル規模の人道的援助を提供したのに続き、2002年から2年半、総額4,500万ドル規模の無償援助を提供しアフガニスタン復興を支援する等、国際的な開発協力に関する問題にも積極的に参加していくことを目標としている。
 さらに、2003年度に人道支援のため1,000万ドルを、復興支援のために5,000万ドルをイラクに支援し、2003年10月マドリッドで行われたイラク復興支援国会合で2004年から2007年までの間、総額で2億ドルをイラクに支援することを発表した。
 また、2002年に0.06%にとどまっていた国民総所得(GNI)対比ODA比率を0.1%まで拡大するために努力しており、さらにはDAC加盟にも努力している。

(2)実施体制
 韓国は1960年代半ばから研修員受入れ等の小規模の技術協力を実施してきており、1980年代後半からは専門的な援助機関を設立し、体系的な援助を行ってきている。1987年には、「対外経済協力基金(EDCF)」を設立し、途上国への借款供与を行っている。監督・管理は財政経済部が担当し、実務は韓国輸出入銀行内の経済協力基金部が担当している。1989年からは韓国海外青年奉仕団の派遣事業が開始され(1990年より実際の派遣開始)、1991年には、それまで各所管官庁別に実施してきた途上国協力事業を外務部(現在の外交通商部)に統合・一元化し、外務部の下に無償資金協力と技術協力を担当する実施機関として、韓国国際協力団(KOICA:Korea International Cooperation Agency)を設立した。なお、KOICAの実員は2004年7月現在で195名である。


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