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(4)情報公開と広報
日本の外交において大きな役割を担う途上国への開発援助を進めていくに際して国民からの理解と支持を得ることは不可欠であり、そのために政府としてもODAに関する情報の一層の公開に取り組んでいます。
■国内における積極的な広報と情報提供
ODAに関する情報提供及び日本のODA案件に接する機会を提供するための具体的な施策としては、ODA白書をはじめとする政府刊行物の発行以外にも、以下のような取組があります。
[1]ホームページ・ODAメールマガジン
ODA関連のホームページにおいて情報公開の充実化を図っており、外務省、JICA、JBICなどのホームページでは、ODAに関する多くの情報をタイムリーに掲載するとともに、各ホームページともODAを分かりやすく紹介しています。
外務省は、ODAホームページに加え、ODAメールマガジンも発行しています。2004年8月18日現在で第49号まで発行され、この中では、経済協力に関わるタイムリーな話題や情報をご案内しているほか、在外にある日本大使館の館員や、青年海外協力隊員、シニア海外ボランティアなどが、実際の援助の現場で体験した話や援助にまつわるエピソードなどを紹介しています。なお、ODAメールマガジンはODAホームページを通じて随時登録を受け付けており、2004年8月16日現在9,082名以上の方が登録されています。
図表II-40 ODAタウンミーティングの開催状況(2003年度)

[2]ODAタウンミーティングの開催
ODAタウンミーティングは、ODAに関する市民対話の一環として、ODA改革を巡る動きなどを一般市民に紹介するとともに、ODA及びODA改革に対する国民の生の声を直接聴取することを目的に、日本全国各地で定期的に開催されています。2004年6月までに23回開催され、有識者、ODA戦略会議メンバー、外務省の省員と一般市民との間で忌憚のない意見交換を行っていきます。
[3]ODA民間モニターの派遣
ODA民間モニター事業は、ODAに関心を有する一般国民の方が実際の援助の現場に赴き日本のODA案件を直接視察することにより、ODAの意義・重要性について正しく理解してもらうとともに、ご意見やご感想として提言してもらおうというものです。この事業は、1999年度から開始され、2003年度までに406名がアジア、アフリカ、中南米の途上国のODAプロジェクト等を視察しました。参加者からは、ODAが途上国の発展・安定に役立っていることや援助の必要性について理解を深めたなどといった報告がなされています(注)。これからも、こうした事業を通じて、ODAに対する国民の理解が一層進んでいくことを期待しています。

ODA民間モニター報告書を逢沢外務副大臣へ提出
■国際社会に対する情報発信の強化
日本国内における広報に限らず、ODAを通じた日本の積極的な国際貢献については海外においても正しく認知され、評価されることが重要です。
日本は、従来より海外において日本の援助が正しく評価され、個々の案件が日本の援助によるものであることを周知すべく、署名式や引渡式において現地プレスの取材に協力したり、日本の援助物資に日章旗ステッカー(英語、アラビア語)やODAシンボルマーク・ステッカー(英語、フランス語、スペイン語、アラビア語)を貼付したり、看板を設置するなどしてきています。
また、当該国に対する日本のODA政策やその成果について広く相手国国民に知ってもらうため、当該国向けにODA広報テレビ番組を衛星放送等を通じて放映し、また、現地プレスに対して日本の援助現場視察をアレンジし、あるいは過去の円借款案件への看板設置等を実施してきました。更に、在外にある日本大使館が各種講演活動やホームページによる発信を行ったり、現地のJICA・JBIC等とも協力しつつ、日本のODAに関するさまざまな広報資料パンフレットを作成・配布しています。他の援助国を含む国際社会に対しては、日常の外交努力や国際会議における情報発信のほか、各種のシンポジウムやセミナーの開催やホームページを通じた情報発信に積極的に取り組んでいます。