columnII-5 ウズベキスタン日本センター
ウズベキスタンはユーラシア大陸のほぼ中央に位置する国です。ウズベキスタン国民は大変親日的で、また、外交関係では、これまで2度にわたりカリモフ大統領が訪日し、日本からも外相等が活発に訪問するなど、良好な二国間関係が築かれています。ウズベキスタンでは、独立後市場経済化及び民主化へ向けた様々な努力が行われており、日本は1993年からウズベキスタンに対する協力を行っています。ウズベキスタン・日本人材開発センター(通称「日本センター」)は、プロジェクト方式技術協力(注)により2001年8月に開所されました。日本は、同センターを通じてウズベキスタンの将来を担う人材の育成を目的として、日本の経験を生かしたビジネス・マネージメントに関する各種セミナーの開催等を通じた市場経済化支援の他、日本語コース、相互理解を目的とした各種事業など日本に関する情報の発信及び交流を行っています。
市場経済化支援の一環として行われているビジネス・コースにはいくつかの種類がありますが、最も基礎的なコースでは5か月にわたって経営の基礎を学びます。仕事を持った人も学べるよう昼間の部とともに夜間の部も用意されており、実務経験のある人、起業意思のある人などが応募してきます。中には、歯科医がデンタル・クリニックを開きたいとして経営を学んだり、花を栽培するのが好きで栽培した花を販売したいといった具体的な目標を持ってビジネス・コースに応募して来る人もいます。ビジネス・コースでは日本から派遣された様々な専門家が講義を行っており、大変高い評価を得ています。また、同センターの卒業生は将来優秀な人材としてウズベキスタンのビジネス界で活躍することが期待されています。
また、日本センターでは日本から日本語教育の専門家が派遣され、一般講座、教師研修講座などの日本語コースも開催されています。ウズベキスタンの人たちは日本に対する関心が大変高く、日本語学習意欲はとても盛んです。その他、図書、ビデオ、インターネット、日本のTV放送コーナーなどを設置すると共に、様々な行事を通じて相互理解の促進を図っています。同センターにおける各種行事への参加希望者は募集人数を大幅に超える人気ぶりで、毎回大好評を博しています。
これまでの日本センターの成果に対し、ウズベキスタン政府からは今後地方展開をしてほしいとの要請が出ており、現在、その具体的方策を検討中です。
注:相手国関係技術者の日本研修受入による技術の習得、日本人専門家の現地派遣による技術指導、必要な機材の供与という技術協力の基本的な3つの形態を総合的に組み合わせて実施する協力事業のこと。現在、「技術協力プロジェクト」に名称が変わった。

日本センター入口 (写真提供:国際協力機構(JICA))

ビジネス・コースの様子 (写真提供:国際協力機構(JICA))