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囲みI-6 メコン地域開発

 「メコン地域開発」とは、メコン河流域のカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムと中国の雲南省の5か国・1地域を、国境をまたいで広域的に開発しようとする試みです。メコン地域開発を推進することで、地域諸国間の関係が強化されるとともに、地域に所在するASEAN新規加盟国の経済水準の底上げを通じたASEAN域内の格差是正、ASEANの統合強化などにも好ましい環境が作られます。
 日本はメコン地域開発を従来より重視し、この地域を横断する道路「東西回廊」やバンコク-プノンペン-ホーチミンを結ぶ道路「第2東西回廊」の整備をはじめ、積極的な支援を行ってきました。また、1993年に「インドシナ総合開発フォーラム」の設立を提案し、1995年に東京で同フォーラム閣僚会合を開催するなど、国際的な取組を主導してきました。さらに、メコン地域全体の発展を目的とする開発プログラム(GMSプログラム)を推進するアジア開発銀行(ADB)、世界銀行、メコン河委員会などの国際機関とも、政策対話を実施するなど連携しつつ、積極的に取り組んでいます。



 2003年12月の日ASEAN特別首脳会議に際しては、「地域の一体性を強化」「持続的な経済成長を実現」「環境と調和」の3つのビジョンに基づきメコン地域開発に協力していくことなどを示した「メコン地域開発の新たなコンセプト」を日本政府として公表しました。このコンセプトに基づき、同会議においては、経済協力と貿易・投資促進を統合する形でメコン地域開発への協力を拡充することや、今後3年間で約15億ドルの協力が見込まれることを表明しました。


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