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囲みII-1 エビアン・サミット発出文書のポイント(開発セッション)

1.特にアフリカにおける飢餓に対する行動:G8行動計画
 ・アフリカには4,000万の飢餓人口、120万トンの不足食糧。世界食糧計画(WFP)も対アフリカ予算を前年比倍増。
 ・G8として過去1年間に実施した対アフリカ緊急食糧援助の合計額を盛り込み、G8としての決意を示す。
     ⇒ 日本は世界全体で1億7,800万ドル、サブサハラ・アフリカには9,600万ドル。
 ・同時に飢餓の根本原因への対策として、農業や食糧安全保障のための長期的な支援にも力点。昨年来のG8の取組実績合計を示す。
     ⇒ 日本は世界全体で4億5,300万ドル、サブサハラ・アフリカには1,700万ドル。

2.水:G8行動計画
 ・水分野では、世界最大の援助であり、世界水フォーラム・閣僚会議主催国である日本と、G8議長国の仏が中心となって、同フォーラム・閣僚会議の成果を踏まえ策定した行動計画。
 ・「水がなければ、人間の安全保障が損なわれる」と冒頭で謳う。
 ・良い統治の促進:国家戦略において安全な飲料水と衛生を重視する国を支援。
 ・すべての資金の活用:ODAだけでなく途上国の国内資金や先進国からの投資も活用。

3.保健:G8行動計画
 ・SARS制圧のために、G8は、相互に、また、非G8各国やWHOとの間で緊密に協力していく旨謳う。
 ・2005年までに全世界からポリオを撲滅するとの目標に向け、G8各国は追加的拠出を誓約。
     ⇒ 日本はポリオ対策につき米英に並ぶ主要な貢献国。2003年から2005年の3年間で8,000万ドルを目標に協力を実施していく旨表明済み。
 ・世界エイズ・結核・マラリア対策基金の援助・支援者会議を2003年7月に開催。

4.持続可能な開発のための科学技術:G8行動計画
 ・科学技術の活用こそが経済成長と環境保護を両立させるための鍵であるとの日本の考えに基づくもの。日米英が中心となり行動計画を策定。
 ・特に地球観測(人工衛星等を用いて気候変動を含む地球環境の変化を観測)は日本のイニシアティブ。世界各国・機関等で行われている地球観測の取組を調整すべき旨言及。明年春に日本の主催する閣僚級会合までに地球全体の観測体制整備のための実施計画を策定する方向。
 ・20年以内に燃料電池車が価格競争力を持つよう障害を除去するとの目標も日本がリードしている分野。

5.海洋環境とタンカーの安全:G8行動計画
 ・昨年11月のスペイン沖でのタンカー(プレスティージ号)事故による海洋油濁汚染を受け、一重底のタンカーの退役促進等を謳う。


(全文仮訳は外務省HP参照:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/evian_paris03/index.html



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