囲みI-4 草の根・人間の安全保障無償資金協力
1.概 要
(1)2003年度より、人間の安全保障の理念をより強く反映させ、従来の草の根無償資金協力を拡充した制度。開発途上国の地方公共団体、教育・医療機関、及び途上国において活動しているNGO等が現地において実施する比較的小規模なプロジェクトに対し、当該国の諸事情に精通している日本の在外公館が中心となって資金協力を行うもの。
(2)開発途上国の草の根レベルに直接裨益するきめ細かい援助として、各方面から高い評価を得ている。2002年度は、総額約95億円、計1,415件の案件を112か国・地域にて実施している。
(3)2003年度においては、150億円を計上している。
(4)人間の安全保障基金とは相互補完的な関係にあり、人間の安全保障を推進する上での重要なツールとなっている。例えば、人間の安全保障基金を通じた支援が国連機関との密接な連携の下で実施されているのに対し、草の根・人間の安全保障無償資金協力は主にNGOや地方公共団体を通じてより機動的な支援に取り組んでいる。
2.対象分野
(1)草の根レベルで裨益効果のある現地で行われる経済社会開発プロジェクト(施設建設、機材供与、啓蒙活動など)であれば、対象案件となり得るが、中でも、以下の基礎生活分野(BHN案件: Basic Human Needs)に該当するプロジェクトが実績としても多数を占めている。
[1]保健・医療分野(例:病院の病棟建設、医療機材の供与)
[2]基礎教育分野(例:小中学校の教室建設、机椅子等の供与)
[3]民生・環境分野(例:井戸掘削、貯水タンクの供与)
(2)その他、日本国内で使用済みとなった消防車・救急車、小中学校の机・イスなどを途上国に供与する際の輸送費支援(リサイクル草の根)や、対人地雷関連活動支援(地雷除去活動、被災者への支援)等も行っている。
3.案件例(2003年度)

