本編 > 第I部 > 第2章 > 第3節 > 2.国民参加の拡大 > (3)開発教育
(3)開発教育
開発教育は、子供たちの開発問題への関心を高め、ODAを含む国際協力に対する理解を促し、ひいては国際協力への志をはぐくむことにもつながります。新しいODA大綱においても、このような観点から学校教育などの場を通じて「開発途上国が抱える問題、開発途上国と我が国の関わり、開発援助が果たすべき役割」など、開発問題に関わる教育の普及を図り、その際に必要とされる「教材の提供や指導者の育成などを行う」こととし、開発教育の促進を謳っています。
こうした開発教育を推進するために、外務省やJICA、JBICでは以前から積極的な取組を行ってきました。まず、外務省では従来から開発教育教材を小中学校に配布してきており、「総合的な学習の時間」が開始された2002年のはじめには、開発教育キット(国際理解カード、教員用副教材、ビデオの3点セット)を全国2,000の公立図書館と全国各3,000の小中学校に配布したほか、現在、小学校高学年及び中学生を対象とした開発教育推進ホームページを準備中です。また、外務省やJICA、JBICでは、10年前より各地で開発教育セミナーの開催、小・中・高等学校への講師派遣、修学旅行等の受入れ、ホームページを通じた開発教育に関する情報の提供、教員のODA現場の視察、論文コンテストの実施などにより、開発教育の普及に努めてきました。
以上のような取組に加え、新しいODA大綱の策定を反映し、新たな取組も始まりました。2002年7月に発表された「ODA改革・15の具体策について」の中で、「人材の発掘・育成・活用」のためにすべてのJICA国内機関にて開発教育のプログラムを実施することが打ち出されたこと、及び新しいODA大綱において開発教育の重要性が指摘されていることを受け、外務省は2003年度より、従来からの開発教育地域セミナー、全国担い手会議に加え、人材育成セミナー、開発教育総合セミナー等の開発教育関連セミナーを幅広く実施しており、JICAも、開発教育指導者セミナーや学生対象国内プログラムを実施し、各地の国際交流協会に青年海外協力隊員OB・OGを国際協力推進員として配属するなど、様々な観点から小中学校を中心とした開発教育の普及に努めています。