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(2)中 国
中国は改革開放政策の進展に伴い、大きく変化しつつあります。対中国経済協力方針を考える際には、中国の経済発展に伴う援助需要の変化や対中国ODAに対する国内の厳しい見方等も踏まえる必要があります。政府は、2001年10月に策定された対中国経済協力計画に基づいて対中国ODAを大幅に見直しています。
具体的にはそれまでの重点分野であった沿岸部の経済インフラ建設は基本的には中国自らが実施することとし、重点分野を環境保全、人材育成、貧困克服及び日本の優れた技術・ノウハウを生かせる協力などに絞り込み、また日中間の相互理解促進に資するものとなるよう努めています。
対中援助の太宗を占める円借款については、2001年度より、従来の多年度にわたる供与方式を改め、年度毎に国益の観点から個々の案件を精査し、中国自身の開発努力の支援となり、日中双方にとって意義がある案件を中心に、従来の供与額を所与とせず、供与総額を決定しています。
図表I-15 対中国円借款の推移

この結果2002年度の円借款供与額は1,212億1,400万円(交換公文ベース)となり、これは対前年度比約25%減、過去2年間で約43%減となっています。また案件としても環境分野が金額的に約7割を占めたほか、日中間の相互理解の推進のための人材育成なども支援しています。政府としては、今後とも新しいODA大綱とこの計画にのっとり、中国の経済社会状況、日中二国間関係を総合的に判断しつつ適切に対中国ODAを実施していく考えです。