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2.新ODA大綱の目指すもの

 ODA大綱の改定後、新しいODA大綱を踏まえた形で日本のODAは展開されています。具体的には、新たな国別援助計画の策定及び改定(スリランカ、ベトナムなど)、援助実施機関による環境社会配慮ガイドラインの策定・実施、第3回アフリカ開発会議(TICADIII)の開催や日・ASEAN特別首脳会議の開催を通じたアフリカ諸国、アジア諸国に対する支援の表明、イラクやアフガニスタンなどにおける平和の構築支援の推進などが挙げられます。2003年12月に行われたOECD-DACの対日援助審査においても、日本のODA大綱改定について真剣な議論が行われ、各国からは、日本のODAを更に効果的に実施していくための建設的な意見が表明されるとともに、日本が行っている様々な努力について高い評価が寄せられました。
 もとよりODAの改革は、ODA大綱の改定により事足れりとするものではなく、今後とも着実かつ継続的に実施されるべきものです。政府としては、新しいODA大綱のもと、ODAを活用することにより、国際社会の平和と発展に貢献していく考えです。そして、同時にこれを通じて日本の安全と繁栄の確保に資するよう努めていく考えです。ODAをより効果的に実施し、その戦略性、機動性、透明性、効率性を高めることは、日本が、国力にふさわしい責任を果たし、国際社会の信頼を得るためにも、また、国民の理解を得るためにも重要です。今後、新しいODA大綱に示された理念と基本方針、原則などに従い、幅広い国民参加のもと、経済協力を進めていく考えです。そのためには第一に、援助の戦略性を高めることです。重点分野を明確にして、限られた資金を選択的、集中的に投入する必要があります。また、分野のみでなく、国別においても、援助需要に応じた重点化を図る必要があります。第二に、援助実施体制の改善です。有効で機動的、効率的な援助を行うためには、政府関係各府省と実施機関が一体として一貫性のある援助を行うようにする必要があります。第三に、援助の進め方についても改善していきます。援助の効果を上げるため、政策立案から実施に至るまで、相手国政府、他の援助国、国際機関、NGOなどとの連携を強化して、国内外における幅広い対話と協調の下に、透明性の高い効率的なODAを展開することがますます重要となっていきます。今後は、新しいODA大綱に沿って、ODA改革を更に進め、日本の援助がより良いものとなるよう努力を積み重ねていく考えです。

ODA大綱改定をめぐるODAタウンミーティング
ODA大綱改定をめぐるODAタウンミーティング

ODA大綱公聴会
ODA大綱公聴会


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