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ColumnII-3 UNDPと日本の協力

~継ぎ目のない復興支援:アフガニスタン復興雇用プログラム(REAP)~

 今、国際社会では、紛争終結直後の緊急人道支援とそれに続くべき復興・開発支援とが、「継ぎ目なく」円滑に実施されることの重要性が叫ばれています。
 アフガニスタンでは、「継ぎ目のない復興支援」が進められており、その中には日本とUNDPの協力案件である地雷除去と被害者支援、DDR(元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)、地域総合開発などが含まれています。その1つの例が、アフガニスタン復興雇用プログラム(REAP)です。REAPは、紛争直後の荒廃した国土において、自国民の手による基礎インフラの修復と雇用確保という2つの課題に同時に取り組むプログラムです。帰還民や現地の人々が日給2ドルで雇われ、道路、上下水道、教育・医療施設といった公共施設を次々に修復・建設しています。これまで180件以上の事業が実施され、約31,000人が雇用の機会を得ました。日本のNGO、JENとピースウィンズ・ジャパンも小学校の修復事業に参加しました。
 REAPは、日本から600万ドルの資金拠出を受けて、まずカブールで開始され、その後カンダハールへと展開されました。自国民の手で国づくりを進めるというこのプログラムは、内外の高い関心と評価を集めました。私自身も昨夏、アフガニスタンへ赴き、その成果をこの目で確認しました。アフガニスタンの高官から国民一般に至る様々な人々が、口々に日本への感謝の気持ちを表現していました。日本人としても国連職員としても誇りに感じる場面でした。
 このREAPの成功は、その後、東ティモールでもイラクでも生かされています。UNDPは、今後も日本と協力し、継ぎ目のない復興支援・平和構築支援を着実に実施していきたいと考えています。

弓削昭子
UNDP駐日代表 弓削昭子

復興と雇用創出を同時に図るREAPの参加者達
復興と雇用創出を同時に図るREAPの参加者達


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