ColumnI-11 子供たちからのカンボジア救援米プロジェクト
カンボジアでは、1970年代より長く続いた内戦の影響で、今なお、食糧不足が容易に発生する状態にあります。長期の内戦は経済社会インフラを破壊し、多数の地雷は負の遺産として、農村開発をはじめとする復興を妨げています。WFPの2002年度調査によると、全人ロの約36%が栄養不足に陥っているといわれています。

このような状況の改善に少しでも貢献しようと、日本の子供たちがカンボジアに救援米を送っています。子供たちは市民団体などの協力を得て休耕地で米を作り、収穫を救援米として送っているのです。
これは、WFPが2つの日本のNGOと協力して行っている体験学習型プロジェクトです。WFPの役割は、主に輸送・配布等の支援で、援助実施の主な担い手は日本の子供たちです。
1999年から通算で、既に約156.6トンの米が届けられています。支援米は、学校給食として配給され、多くのカンボジアの子供たちに教育の機会と豊富な栄養を提供しています。また、自ら作った米を途上国に届けている日本の子供たちも、国際協力を経験し、開発教育の貴重な経験を得ました。2003年3月に、子供たちの代表数名がカンボジアの学校を訪れました。彼らは、目の前にある現実の貧困と飢餓を目にして、ショックを受けながらも、自らの活動の意義を再認識したようです。
日本政府は、途上国の人々の自立支援のために食糧援助を行うWFPの活動を高く評価しており、2003年には、約1億1,900万ドルの支援を実施しました。

子供たちの給食に支援米が登場

貧困と飢餓という現実を目にする日本の子供
(写真提供:WFP)