I-8 DAC援助手続き調和化タスクフォース
1.設立の背景と目的
各援助国・機関が個別に定めている様々な援助実施上の手続きが途上国政府の限られた行政能力に過大な負担をかけており、効率的な援助の実施や途上国のオーナーシップを妨げているとの認識のもと、OECD・DAC(開発援助委員会)では、2001年より2年間、援助手続きの調和化を検討するタスクフォースを設置。途上国側からの参加も得て、援助手続き上の負担軽減のための援助手続きのあり方について検討を行った。
2.主な活動内容
(1)途上国側の手続き調和化ニーズ調査を実施
(2)右調査を踏まえ、6分野([1]ドナー協調枠組み、[2]国別分析作業/プロジェクト・プログラムの準備、[3]公共財政管理、[4]報告モニタリング、[5]財政報告と監査、[6]委任協力におけるグッドプラクティス文書(参照すべき指針文書))を策定
3.わが国の立場
わが国は、手続きを急速に統一化することは現実的ではなく、さまざまな途上国側の実状や援助国・機関毎の特徴もふまえた現実的な対応を進めるべきとの立場。本タスクフォースに対しては、関連するすべての会合に出席し、前述のニーズ調査の必要性を提唱して自ら資金提供を行った他、グッドプラクティス文書への事例を提供する等、タスクフォースの活動に積極的な貢献を行った。
4.日本の取組
べトナムにおいて、国際協力銀行(JBIC)が世界銀行、アジア開発銀行との手続き調和化を開始するなど、具体的な調和化の取組にも着手している。