II-2 シニア海外ボランティア:浅妻金平さん(ドミニカ)
私は、小松製作所でディーゼルエンジンの研究・開発に携わり、ハネウエル・ターボチャージングシステム・ジャパン、明治大学理工学部講師を経て2000年4月、シニア海外ボランティアとしてドミニカ共和国へ渡り、2002年4月に帰国しました。
ドミニカが求めていたのは、大型自動車用エンジンの燃焼理論と実技を教える人材で、受入れ先は1583年に設立されたサントドミンゴ自治大学でした。国内で唯一の国立大学で、学生数は11万5千人でした。私は、ここで、燃焼理論と燃料噴射機器の整備技術を教えました。
彼らは陽気で勤勉ですが、仕事の計画性と継続性、理論的に思考する術の教育が足りません。私は、理論・理屈と実技を両輪に、毎週西語の資料を作り、75週連続で技術を移転していきました。質問には即答し、24時間以内に資料にまとめ、全員を対象に教育しました。同じ土俵に立って平等に接することが大事なのです。実に楽しく、努力甲斐のある日々でした。移転した技術資料は300項にもなりました。講義録の邦文、日-英-西対訳の技術専門用語集も私の宝です。
帰国後、先方に移転した技術が強力な武器になっているという便りが届き、私は元気づけられています。多くの人々に助けられ、学んだことも多い2年間でした。とにかく、ドミニカで充実した日々を送り、参加して良かった、と心から思っています。
浅妻金平さん
ドミニカ学生と水力発電所を見学する浅妻さん