I-2 五月女(さおとめ)光弘NGO担当大使
日本は、戦後、先進国の中で、外国や国際機関のODAに支援されて復興した経験を持つ数少ない国の一つです。同時に、世界の国々のNGOから沢山の援助を受けた経験を持つ国でもあります。日本はこれまで支援をしてくれた国際社会への恩返しの気持ちを持って、過去の経験を途上国の人々と分かち合いながら援助するべきでしょう。
この度外務省に設置された「NGO担当大使」ポストは、一連の外務省改革の一環として、「外務省を変える会」の“外務省はもっとNGOとの連携を強化すべきだ”との提言により生まれました。
役所の都合だけでなく、NGOの意欲的な取組や情勢の変化に機敏に対応し、フリーハンドで動ける人間が必要となります。NGOが何を目指し、何に困り、政府に何を期待しているのか、政府は何ができるのかを、的確に判断して対応するという役割を担っています。政府側だけでなく、NGO側にも立ってお互いに協力していい結果を生み出すことに努める役割があるのです。
私は、就任以来、頻繁にNGOの方々との会議や個別の意見交換の場で、意思の疎通を図ったり、国際会議などに参加希望のNGOのために便宜を図り、提言や要望が会議の成果に反映するよう努めてきました。「日本の顔の見える支援」を行う為に、政府はNGOと共にODAを有効に透明性をもって活用していきたいものです。
日本NGOの教育プログラムに参加する筆者とタイの子供たち