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I-1 ヨハネスブルグ・サミットに日本政府代表団顧問として参加したNGO関係者:ジョイセフ高橋秀行氏


巨大なカンバスに過去10年間の国際社会の歩みと今後の世界の10年の針路を絵に描くようなヨハネスブルグ・サミットが、南アフリカのヨハネスブルグで開催されました。191か国から104人の元首と2万1千人以上が参加した国連史上最大級の会議となりました。
日本政府は、今後の途上国への開発援助に対してだけでなく、日本の政治、社会経済、外交にも大きな影響を与えるこの会議に大代表団を送りました。日本のNGO、産業界、労働界、自治体にも参加を呼びかけました。そして、この会議の舞台裏で繰り広げられた深夜や早朝に及ぶ丁々発止の交渉の様子がNGO側にも報告されました。日本の情報収集能力と分析力、そして交渉力が日本の国益と直結している様子がわかりました。情報化によってグローバリゼーションが加速されるとともに、国という枠だけでは対処できない横断的分野の課題が増大しています。世界各地の地域住民の直接的対話が急速に広まり、国や国家のあり方にも影響を及ぼし始めています。
日本政府とNGOが協力して、相互のネットワークでヨハネスブルグ・サミットの情報収集と世界への発信が出来たならば、相乗効果が一層大きかったのではないかと思いました。そのためには、日本政府とNGOとの信頼関係の醸成がより必要であると感じました。日本政府代表団連絡室が置かれたエキスポートハウスの一室を、6名の外務省スタッフが担当する日本のNGO連絡室としました。外国の政府代表団にはNGO連絡室はなかったようで、ヨーロッパの国会議員団のコーディネーターがこの連絡室を訪れ、開口一番「素晴らしい」と率直に言ってくれました。日本のマスメディアにも取り上げて欲しい小さくても大きな可能性を秘めた出来事であったと思います。


サイドイベントが開催されたウブントゥ村の日本パビリオンの前で。高橋氏


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