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4.コートジボワール
コートジボワールにおいては、99年12月の軍事クーデターにより、ゲイ元参謀総長が同国の全権を掌握し、べティエ大統領は国外に脱出しました。その後2000年1月ゲイ元参謀総長を首班とする暫定政府が設置されました。この暫定政権の主な役割は民主主義のメカニズム整備、民政移管にあるとし、2000年1月に憲法・選挙諮問委員会を設置しました。同年5月には憲法改正国民投票及び大統領選挙、国会議員等の一連の選挙日程が公表されましたが、わが国としては同国の民主化プロセスの具体的進展を注視しつつ、新規の経済協力の供与については、緊急的・人道的性格を有する援助を除き原則として見合わせることとしました。
その後、2000年10月に大統領選挙、及び2001年3月にコートジボワール全土において国会議員選挙が実施されました。これを受けてわが国は、2001年5月に民主化プロセスの進展状況を引き続き注視しつつ、新規の経済協力の供与については、緊急的・人道的性格を有する援助、民主化の促進及び民衆に直接裨益する基礎生活分野の援助を除き原則として見合わせることとしました。なお、具体的な経済協力案件の実施にあたっては、個々に慎重に検討するとともに、治安状況を十分確認した上で行うこととしました。
コートジボワールにおいては、2001年10月から、国民和解を促進する手段として政党、宗教界、市民団体等の参加を得て「国民和解フォーラム」が開催され、「開かれた対話」として国内融和と民主化に向けた一定の進展を画し、また、今後の民主化推進に向けた枠組みと方向性を提示する重要な成果を挙げました。同フォーラムの成果を踏まえ、わが国は2002年5月に、今後は新規案件も含め、経済協力を取り進める方針としました。
しかし、同国に対し経済協力を取り進める方針としたものの、2002年9月には政府軍と反政府武装組織の対立が発生するなど同国の治安情勢が悪化し、援助の実施が困難な状況にあります。今後は同国の治安情勢や民主化の進捗状況等を勘案しつつ援助の実施を検討していく考えです。