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第II部 2001年度のODA実績

第1章 援助における日本の位置


ODA写真館[5]:北部パラワン持続可能型環境保全計画(フィリピン:有償資金協力)

2001年のわが国のODA実績(確定値)注)は、二国間ODAが対前年比23.7%減の約74億6千万ドル、また、国際機関を通じた援助は対前年比36.1%減の約23億9千万ドルと、それぞれ大幅な減少となりました。その結果、ODA全体では、対前年比27.1%減の約98億5千万ドル(円ベースでは対前年比17.8%減の約1兆1,964億円)となりました。
二国間ODAを形態別に見ると、無償資金協力は対前年比9.3%減の約19億ドル、技術協力は対前年比20.7%減の約28億4千万ドル、政府貸付等は対前年比33.6%減の約27億2千万ドルとなりました。

図表II-1 2001年のわが国ODA実績

2001年のわが国ODA実績


また、地域別の実績をみると、アジア地域へのわが国の二国間援助が、対前年比20.1%減の約42億2千万ドルとなり、二国間ODAの56.6%を占めたほか、アフリカは対前年比12.1%減の約8億5千万ドル(11.4%)、中南米地域は対前年度比7.7%減の約7億4千万ドル(9.9%)、中近東は対前年比60.5%減の約2億9千万ドル(3.9%)、大洋州は対前年比32.8%減の約10億1千万ドル(1.4%)となりました。

図表II-2 わが国の二国間ODAの地域別割合

わが国の二国間ODAの地域別割合


こうしたわが国のODA実績を他の経済協力開発機構開発援助委員会(OECD-DAC)メンバー国の実績と比較してみると、わが国は91年以降2000年まで維持し続けてきた世界第1位から、米国に次ぐ世界第2位のODA供与国となりました。この理由としては、円安ドル高の影響により実績額が目減りしたこと、ノン・プロジェクト型借款の貸付が減少したこと等が挙げられます。また、2001年のDAC22か国のODA実績総額は、523億4千万ドルで前年に比べ2.6%減となりました。なお、ODAの対GNI比率は、DAC全体で0.22%でしたが、その中で日本は0.23%であり、DAC諸国中第18位でした。また、わが国ODA実績を国民一人当たりの負担額(2000年)で表すと、106.4ドルとDAC諸国中7位となっています。

図表II-3 ODA実績と対GNI比率の推移

ODA実績と対GNI比率の推移


図表II-4 DAC諸国におけるODA実績の対GNI比

DAC諸国におけるODA実績の対GNI比


図表II-5 DAC諸国におけるODA実績の国民一人当たりの負担額

DAC諸国におけるODA実績の国民一人当たりの負担額


以上は援助の絶対額に関する指標ですが、ほかに供与の条件を示す指標として「贈与比率」と「グラント・エレメント」が国際的に広く用いられています。わが国とDAC諸国との実績を99/2000年の平均で比較してみると、「贈与比率」は49.5%であり、また、「グラント・エレメント」は86.6%と、ともにDAC諸国中最も低いものでした。しかしながら、贈与を絶対額で比較すると、わが国の実績は約98億7千万ドルで、米国に次いで第2位であり、途上国への貢献は大きなものとなっています。

図表II-6 二国間援助に占めるLDC向け援助額

二国間援助に占めるLDC向け援助額


図表II-7 二国間援助に占めるLDC向け贈与の割合

二国間援助に占めるLDC向け贈与の割合




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