II-4 インド地震における緊急援助
2001年1月26日、インド西部のグジャラート州においてマグニチュード6.9の大地震が発生し、死者2万人以上、負傷者16万人以上、崩壊家屋約130万戸という甚大な被害を引き起こしました。
わが国政府は、この地震災害の深刻さ及び人道的支援の必要性から、まず緊急無償300万ドル(約3億1,500万円)、及びテント・毛布・医療品・医療資機材等の緊急援助物資(約3,000万円)の供与を行いました。また、テント441張や毛布4,475枚等約7,140万円相当の緊急援助物資を積載した自衛隊機をグジャラート州ブージに派遣し、現地入り後、物資の引き渡しからテントの設営指導を実施しました。
さらに、わが国政府は、国際緊急援助隊医療チームとして20名の医師・看護士等の民間人を、1月30日から2月9日まで現地に派遣しました。医療チームは、被災直後の不十分な応急処置により化膿した傷口に対する治療や、応急処置すら受けられなかった多くの人々のみならず、家屋が崩壊したことにより野外生活を余儀なくされ風邪などにかかった患者に対する治療も行いました。派遣期間中に、日本の緊急援助隊医療チームが診察・診療した患者は995名にのぼり、インドのみならず国際社会からもその援助活動は高く評価されました。
さらに、わが国政府は、地震の被害を受けたグジャラート州の医療・教育施設の復旧・復興に関する再建計画を提言し、緊急リハビリ事業として2つの医療施設及び5つの教育施設も建設しました。これらもまた、災害復興に係る現地セミナーとあわせて、迅速な対応と事業の実施という点から、現地の評価を受けています。
医療チーム隊員に手当てを受ける被災者
医療チームの診療所で順番を待つ被災者達