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II-2 アジアとヨーロッパをつなぐボスポラス海峡の架け橋


トルコのイスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んで、東のアジア側は主に住宅地区、西のヨーロッパ側は主に商業地区という、アジアとヨーロッパにまたがる世界で唯一の都市です。これをつないでいるのが、ボスポラス海峡大橋です。
85~88年に建設された第2ボスポラス大橋には日本の円借款資金が活用されました。橋長1,510メートル、幅員30.8メートル(8車線)の大橋は、アジアとヨーロッパの間を行き交う人々に利用されてきました。
99年にイズミールでの大地震を経験したトルコ政府は、日本の耐震技術に注目し、将来の地震に備えるため、イスタンブール市内の橋梁の耐震工事のために円借款を要請しました。第1ボスポラス橋、第2ボスポラス橋、新・旧ゴールデンホーン橋、の4つの橋(第1ボスポラス橋を除き、全て日本の円借款により建設)の耐震工事が実施されます。
さらに、ボスポラス海峡を横断する地下鉄の整備に円借款を活用することも決定しています。交通量の増加に伴い、ボスポラス大橋だけでは慢性的な交通渋滞が発生するようになり、また排気ガスによる大気汚染も見られるようになりました。地下鉄の整備により、交通渋滞と大気汚染がともに緩和されることが期待されています。アジアとヨーロッパのつながりをさらに強めるため、日本のODAが活躍しています。


ゴールデンホーン橋


第2ボスポラス橋


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