I-13 メキシコ南南協力強化支援
中南米地域において経済発展を遂げ、大国としての地位を確立しているメキシコは、地域の安定と発展のため、特に中米・カリブ諸国を対象とした国際協力への取組(南南協力)を積極的に進めています。メキシコによる同地域への協力は、言語・文化・経験など似通った面が多いため、すぐに適用可能な経験や技術を移転することができるという大きな可能性をもっています。
しかし、メキシコでは国際協力のシステムが十分整備されていないことに加え、国際協力関係者に南南協力を実施する上での知識・経験が不足していることから、最大限の効果をあげられていないのが実情です。そこで、メキシコが行う南南協力強化を図るため、2000年から2003年にかけて、技術協力プロジェクトが実施されています。
南南協力強化に対する支援は、JICAから派遣された専門家との協力のもと行われています。具体的には、JICAが活用しているPCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)手法(注)の導入とデータベースの構築を中心に協力を行い、またメキシコにおける国際協力関係者に対して研修を通じた人材育成を図りました。
その結果、プロジェクトの発掘・審査・実施・評価とそのフィードバックまでの一連の流れに基づいて、概ね案件を管理できるようになり、メキシコ外務省科学技術協力担当局が行う国際協力の質と量に向上がみられるようになりました。さらに、メキシコ主導による南南協力プロジェクト(日墨連携)も形成されています。
(注)PMC手法:プロジェクトの発掘、形成を含む計画プロジェクトの審査、実施、モニタリング、評価とそのフィードバックまでの一連の事業サイクルを運営管理する手法。
ニカラグアに対する日墨連携の南南協力プロジェクトでのPCM手法ワークショップの様子