I-12 北九州イニシアティブ
北九州市に代表されるように、わが国地方自治体は、経済発展の過程で各種の公害を克服してきた経験から、環境対策の分野で多くのノウハウを持っています。このようなノウハウを現在経済成長過程にある発展途上国と共有することは、持続可能な開発の実現に大きく貢献するものと考えられます。
2000年9月に北九州市で開催された「第4回アジア・太平洋環境と開発に関する閣僚会議」(ESCAP(注)環境大臣会議)では、まさにこのような観点から、「クリーンな環境のための北九州イニシアティブ」(以下「北九州イニシアティブ」)が採択されました。
北九州イニシアティブは、ESCAP環境大臣会議で同じく採択された5か年地域行動計画の優先分野である「環境の質と人間の健康」の分野において、優先的に実施されるべき方策を提供するために策定されたものです。アジア・太平洋地域の主要な都市における都市環境の改善を着実に前進させることを目的としています。
北九州市の優れた経験を参考にしつつ、アジア・太平洋地域の都市環境の改善を目指すべく、ESCAP、外務省、環境省、北九州市等の関係機関の協力のもと、様々な取組がなされています。その一例として、地方レベルでの環境管理能力の強化や公的機関・民間企業の環境への投資の促進などについての政策ガイダンス、学術団体との連携の強化・北九州イニシアティブ・ネットワークの創設などの施策の提案を行っています。
(注)ESCAP:アジア太平洋経済社会委員会
リサイクル用品の収集(タイ・ノンタブリ市):週一回
小型の排水処理施設及び河川を利用した環境教育(タイ・コラート市)