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I-10 アフガニスタンにおける初等教育支援(バック・トゥ・スクール・キャンペーン)


2001年12月カルザイ議長を首班とするアフガニスタン暫定政権が発足し、アフガニスタンに自由と平和が戻ってきました。20数年にわたる内戦により子どもが学校に通うというごく当たり前のことが長い間実現しなかったアフガニスタンにおいて、バック・トゥ・スクール(学校に戻ろう)キャンペーンは、戦争の終わりと平和の到来をはっきりと示し、将来への希望をもたらすことになりました。
同キャンペーンは、ユニセフにより2002年3月23日の新学期開始までに約150万人の子どもの就学を達成することを目標に実施されました。具体的には700万冊以上の教科書・ノート、1万8,000の黒板など児童・教員用の教育機材セットの配布、教員に対する研修の実施、学校の修復、机・椅子の配備など学習環境の整備、ラジオ放送などによる広報が実施されました。
わが国は総経費1,900万ドルのうち約65%、金額にして1,200万ドル(日本政府による拠出額は500万ドル、日本ユニセフ協会主催の募金による民間拠出額が700万ドル)を拠出し、また、日本の6つのNGOがこのプロジェクトへの支援のため11人の職員をユニセフ・アフガニスタン事務所に派遣するなど、オールジャパンでこの計画を支援しました。短い準備期間にもかかわらず、23日の新学期当日には約3,000もの学校やテントなどの学校外教室が開設され、総勢178万人の子どもたちが就学でき、目標を大きく上回る成果をあげることができました。これはひとえに、平和を切望するアフガニスタンの人々の熱意とわが国を始めとする国際社会の力強い支援の賜物です。


ジャララバードの女子校の開校式にて(日本のNGOからユニセフへ派遣された渡辺裕子さん)


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